ハーバードの精神科の医師が出版した本が話題となっています。
先月出版された題名が『Brain Energy: A Revolutionary Breakthrough in Understanding Mental Health—and Improving Treatment for Anxiety, Depression, OCD, PTSD, and More』というものです。
この本では、うつ病、不安神経症、外傷後ストレス症候群、強迫神経症から統合失調症まで、こころの病気や精神(脳)の病気とされている疾患の本当の原因は、[脳のエネルギー代謝の低下]によるものとしています。
抗うつ病薬(SSRI) や向精神薬処方を世界の標準治療としているハーバードの精神科医もようやく真実の一端が見え始めたのでしょうか(おそらくリアルサイエンスや今まで出版された類似本の剽窃でしょう(^_−)−☆)。
まだ糖のエネルギー代謝までは辿り着けていないものの、これらの心の病や精神病は、ミトコンドリアのエネルギー代謝異常であることは指摘しています(ただし、この著者はいまだにセロトニン仮説やケトン食にどっぷりつかっています(^_−)−☆)。
たとえば、統合失調症は、プーファ過剰によって糖のエネルギー代謝が低下した糖尿病に3倍にもなりやすいことが報告されています(Endogenous and Antipsychotic-Related Risks for Diabetes Mellitus in Young People With Schizophrenia: A Danish Population-Based Cohort Study. Am J Psychiatry. 2017 Jul 1;174(7):686-694)。
統合失調症に使用される向精神薬によっても糖尿病になる確率が高まります。
つまり、心の病や精神病は、糖尿病と同じ「糖のエネルギー代謝異常」の部分症状にすぎないとうことです。
この本では、こころの病や精神病の根本治療では、代謝を上げる食事や運動を奨励しています。
この医師の勧める食事や運動が間違っていることが残念ですが、少なくとも医薬品処方と拘束・監禁(監禁病棟は牢屋と同じ)しか手段のない精神科の医師が、違う方法を模索し始めたことは根本治療への最初のステップになります。
この後、ミトコンドリアのエネルギー代謝はどのようになっているのかを真摯に模索して頂きたいと思います(^_−)−☆。