免疫は決して活性化してはいけません。
これを聞かれると、一瞬「え?」と頭の中にクエスション・マークがいくつも点滅すると思います。
これはいつもお伝えしているとおり、「免疫」という言葉が生命現象を表すのに不適切極まりない言葉だからです。
私たちの体は、形態形成維持を行うことが進化の基本であり、生命のフローの中心にあります。
形態形成維持は、活性化するのではなく、通常運転させることが基本です。
専門家や一般の方が考える「免疫の活性化」は、たとえば「免疫療法」という“幻想”にもよく現れています。
一部の現代医学や自然療法家が推奨する免疫療法に、ナチュラルキラー細胞(Natural Killer Cells)を患者さんから取り出して、それを試験管で過剰刺激して血液に戻す「免疫療法」なる治療があります。
ナチュラルキラー細胞(NK cell)とは、リンパ球の一種で、白血球のシグナルによって活性化されます。
変性細胞やガン細胞の掃除に貢献(といっても白血球の食作用の脇役程度です)するために、ガンの治療でナチュラルキラー細胞(NK cell)を活性化して戻せばガンはなくなるのではないか・・・・といういつもの浅い線形思考です。
さて、その免疫療法の効果はどうなのでしょうか?
現在のところ、ほとんど効果がないか、副作用が強く出るというのが実態です(Engineering CAR-NK cells to secrete IL-15 sustains their anti-AML functionality but is associated with systemic toxicities. J Immunother Cancer. 2021 Dec;9(12):e003894)(Natural Killer Cells in Immunotherapy: Are We Nearly There? Cancers (Basel). 2020 Oct 27;12(11):3139)。
なぜ効果がないばかりでなく、副作用が出るのでしょうか?
それは、白血球やその従属変数であるリンパ球のいずれも、活性化するとコントロール不能の炎症を引き起こすからです。
私たちは、自分の糖のエネルギー代謝のレベルによって、炎症をオンあるいはオフにしたりして、炎症の程度を調整しています(もちろん糖のエネルギー代謝が万全の人は炎症させ起こさずに、綺麗にゴミ掃除できる)。
外来から過剰刺激された白血球やリンパ球が血液中に入ってきた場合、その刺激された細胞から放出される炎症のシグナル(サイトカイン)をコントロールできないため、炎症が暴走することになるのです。
免疫療法を受けるガンの末期の人は、とりわけ糖のエネルギー代謝が低下しているために、このような人工的に引き起こされた炎症をハンドルできないのです。
このような生命現象を理解しないために起こる間違いは、「ワクチン」という手法にも同様に現れています。
ワクチンも「免疫を活性化する」ために、水銀、アルミニウム、スクワレン、毒性ナノ粒子、界面活性剤
などがチャンポンして入れられています。
しかし、拙著でもお伝えしたように、ワクチンという思考実験にすぎない手法が、リアルワールドで効果があったという確固たるエビデンスは、ジェンナーの時代から一度もありません。
これらの毒性物質も、たいていはコントロール不能の炎症を引き起こす結果に終わるからです。
ちなみに過剰の活性化している白血球やリンパ球は、糖のエネルギー代謝が「解糖系」という糖の不完全燃焼にシフトしています(ガンの代謝と同じ、毒性物質の乳酸が蓄積する)。
つつがなく形態形成維持を回すには、白血球やリンパ球は、糖の完全燃焼(糖のエネルギー代謝)で十分にリラックスしている状態でなければなりません。
免疫を人工的に活性化させるのは、白血球やリンパ球を低エネルギーにして極度の緊張状態に陥れることに他なりません。
全身がリラックスしていないとパフォーマンスが極端に低下することは、プロの一流スポーツ選手なら誰でも体感として知っています。
それと同じで、白血球やリンパ球が十分にリラックスしている状態でないと、炎症ゴミを柔軟かつ速やかに処理することができません。
免疫を活性化して緊張状態にするのではなく、十分に糖のエネルギー代謝を回してリラックスさせることがゴミ掃除の基本であり、慢性病の根本治療です。
現代の遺伝子ワクチンによってむしろ新型コロナ感染症なる病態や重篤な副作用が急増している事実からも、決して「免疫を活性化」してはならないという事がお分かりになると思います(^_−)−☆。