専門家たちは、オメガ3が抗炎症(本当は形態形成維持妨害、免疫抑制)、オメガ6が炎症でバランスを取っているという単純な図式を刷り込まれています。
この図式の根拠の一つが、両方のプーファから酵素誘導される「エイコサノイド」という生理物質の作用です。
オメガ3から産生されるエイコサノイドが抗炎症に作用し、オメガ6から産生されるものは炎症性に作用する・・・・・・・・・
このように信じ込まされていますが、拙著『オメガ3の真実』でお伝えしたように、この単純な図式は現実の生命現象とそぐいません。
その一例を挙げましょう。
体内で産生されるプーファの代謝産物で最初に抗炎症作用が認められたのは、オメガ6のリポキシン(Lipoxin A4 (LXA4) and lipoxin B4 (LXB4))と呼ばれるエイコサノイドです(Lipoxins and aspirin-triggered 15-epi-lipoxins are the first lipid mediators of endogenous anti-inflammation and resolution. Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. Sep-Oct 2005;73(3-4):141-62)(Lipoxin A4 Attenuates Obesity-Induced Adipose Inflammation and Associated Liver and Kidney Disease. Cell Metab. 2015 Jul 7;22(1):125-37)(Arachidonic acid and lipoxin A4 as possible endogenous anti-diabetic molecules. Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2013 Mar;88(3):201-10)(Lipoxin A4 may attenuate the progression of obesity-related glomerulopathy by inhibiting NF-κB and ERK/p38 MAPK-dependent inflammation. Life Sci. 2018 Apr 1;198:112-118)(Lipoxin A4 attenuates adipose inflammation. FASEB J. 2012 Oct;26(10):4287-94)。
サルチル酸の作用の一つとして、これらのリポキシンを増やすことがあります。
オメガ6のアラキドン酸から酵素誘導される「プロスタグランディンE2(PGE2)」というエイコサノイドがあります。このエイコサノイドは、炎症および発がん性が現代医学でも認められているものです(Prostaglandin E2 Promotes Colorectal Cancer Stem Cell Expansion and Metastasis in Mice. Gastroenterology. 2015 Dec;149(7):1884-1895.e4)( Prostaglandin E2/EP Signaling in the Tumor Microenvironment of Colorectal Cancer. Int J Mol Sci. 2019 Dec 11;20(24):6254)( Mediators of PGE2 synthesis and signalling downstream of COX-2 represent potential targets for the prevention/treatment of colorectal cancer. Biochim Biophys Acta. 2006 Aug;1766(1):104-19)。
オメガ3のEPA(フィッシュオイルに豊富に含まれる)から「プロスタグランディンE3(PGE3)」が酵素誘導されますが、このオメガ3のエイコサノイドもオメガ6の「プロスタグランディンE2(PGE2)」と同じ細胞のアンテナを刺激します。これを部分作用物質(partial agonist)といいます(Prostaglandin EP receptors: targets for treatment and prevention of colorectal cancer? Mol Cancer Ther. 2004 Aug; 3(8):1031-9)(Effect of eicosapentaenoic acid on E-type prostaglandin synthesis and EP4 receptor signaling in human colorectal cancer cells. Neoplasia. 2010 Aug; 12(8): 618–627)(Cancer Lett. 2014 Jun 28; 348(0): 1–11)。
つまり、オメガ3の「プロスタグランディンE3(PGE3)」も、強度が違うものの、オメガ6の「プロスタグランディンE2(PGE2)」と同じ作用をするのです。
以上の例からも、「オメガ3=抗炎症、オメガ6=炎症」という単純な図式は、実態とは合わないことが分かります。
さらに最近注目されているオメガ3のエイコサノイドのレゾルヴィン、プロテクチン、マレシン(resolvins/protectins/maresins)というエイコサノイドです。これらの物質は、炎症をストップする作用があるとされていますが、まさにオメガ3の免疫抑制作用(抗炎症ではなく、グローバルな免疫抑制)と呼ばれるものを担っています。
したがって、オメガ3は白血球の食作用をアップさせるという研究結果は、これと大きく矛盾します(オメガ3に効果があるというなら、食作用は低下するはずです(^_−)−☆)。
しかし、これらのオメガ3のエイコサノイドも、フィッシュオイルを投与した臨床実験では、健康人および慢性病を抱えた人のいずれも上昇することはありませんでした(Narrative Review of n-3 Polyunsaturated Fatty Acid Supplementation upon Immune Functions, Resolution Molecules and Lipid Peroxidation. Nutrients. 2021 Feb; 13(2): 662)。
なぜなら、これらのエイコサノイドを産生するのには、酵素が必要であり、糖のエネルギー代謝が回っていないと、そもそもタンパク質(酵素)を新たに産生することができないからです。
ここでもう一歩引いて、全体を眺めてみましょう。
私たちの体は、炎症を鎮めるのにこれらのオメガ3やオメガ6のプーファを必要としません。
私たちの体内では、ブドウ糖や果糖から飽和脂肪酸(パルミチン酸)が作られます。そしてこの飽和脂肪酸からミード酸などのオメガ9と呼ばれる不飽和脂肪酸(一価不飽和脂肪酸)が産生されます。
飽和脂肪酸やオメガ9とよばれる脂肪酸は、過剰の炎症を鎮める作用を持っています(かつプーファ(オメガ3およびオメガ6)の作用をブロックしてくれる)(Palmitate Induces an Anti-Inflammatory Response in Immortalized Microglial BV-2 and IMG Cell Lines that Decreases TNFα Levels in mHypoE-46 Hypothalamic Neurons in Co-Culture. Neuroendocrinology. 2018;107(4):387-399)(Anti-inflammatory activity of methyl palmitate and ethyl palmitate in different experimental rat models. Toxicol Appl Pharmacol. 2012 Oct 1;264(1):84-93)(Palmitate-mediated alterations in the fatty acid metabolism of rat neonatal cardiac myocytes. J Mol Cell Cardiol. 2000 Mar;32(3):511-9)(Dietary (n-9) eicosatrienoic acid from a cultured fungus inhibits leukotriene B4 synthesis in rats and the effect is modified by dietary linoleic acid. J Nutr. 1996 Jun;126(6):1534-40)(LIPIDS Volume 31, Number 8, 829-837)(J Exp Med. 1993 Dec 1;178(6):2261-5)(Beneficial effects of n-9 eicosatrienoic acid on experimental bowel lesions. Surg Today. 2003;33(8):600-5)(Effect of dietary supplementation with n-9 eicosatrienoic acid on leukotriene B4 synthesis in rats: a novel approach to inhibition of eicosanoid synthesis. J Exp Med. 1993 Dec1;178(6):2261-5)。
私たちの体は、わざわざオメガ3を摂取しなくても、炎症・抗炎症のバランスを糖質と飽和脂肪酸でしっかりととっているのです。
「オメガ6を取りすぎたから、オメガ3を摂らなくては・・・・」というのはプロパガンダにうまく乗せられているということです。
「オメガ3とオメガ6の比率」というのは、モンサント(現在はバイエルを隠れ蓑にしている)が世界中で大量産生しているGM植物から採取したGM種子から複雑な化学処理をして抽出した植物油脂(オメガ6)の消費を継続させるために、持ち出したプロパガンダなのです。
GM植物油脂があまりにも健康被害が大きいことが明るみに出たので、白人中間層(トルドーやWEFのメンバーが一番恐れている集団(^_−)−☆)の集団訴訟を恐れてオメガ3を持ち出したのです。
オメガ3の摂取量を高めることで、「オメガ3とオメガ6の比率」を是正しましょうというプロパガンダです。
オメガ6の摂取量が多いのなら、その分、あるいは少しオメガ6を減らしてオメガ3もしっかり摂取しましょうというプロパガンダです。
そうすれば、私たちにGM植物油脂の摂取を継続させられ、かつその健康被害を責任転嫁できます(他の原因にできる)。
いつもの“悪知恵”です(同じ詐欺がエストロゲン、セロトニンなどの物質でも行われています(^_−)−☆)。
この悪知恵を見破った人はどれだけ地球上に存在しているでしょうか?
この「オメガ3とオメガ6の比率」というのは、植物油脂だけの害悪のときよりも、私たちとってそのダメージは数倍に跳ね上がります。
それはプーファ全体の摂取量の継続とオメガ6よりも害悪のあるオメガ3を摂取することになるからです(その理由をこのシリーズでは今後も詳しく説明していきます(^_−)−☆)。
例えとしては、適切ではないかも知れませが、現在のウクライナ危機も新型コロナのフェイクが剥がれてきたことのカバーリングストーリー(プーチンと世界経済フォーラムのコラボ)であり、プーファの害悪から目を逸らすための「オメガ3とオメガ6の比率」という作り話と同じなのです。
みなさんも、くれぐれも「オメガ3とオメガ6の比率」というような計画的な悪知恵による指標に捉われて、生命の本質が見失って迷路に入る事態には十分にご留意ください。
「オメガ3とオメガ6の比率」ではなく、プーファそのものをフリーにすることが私たちを救います(^_−)−☆。