今回の遺伝子ワクチンを接種しても局所の痛みくらいで何も無かった人から数日以内に死亡に至る人まで、かなりのバリエーションがあります。
その理由の一端がうかがえる論文が報告されています。
アストラゼネカーオックスフォード製の新型コロナ遺伝子ワクチン(インド製の「COVISHIELD」)接種後の副作用を解析したものです(A prospective observational safety study on ChAdOx1 nCoV-19 corona virus vaccine (recombinant) use in healthcare workers- first results from India. EClinicalMedicine 38 (2021) 101038)。
1回目の接種後の急性の全身の副作用は、全体の40%に発生しています。2回目の接種後の急性の全身の副作用は、全体の15.7%に発生したようです。重症の急性の副作用(systemic events of severity grade 3)は、0.5%だったようです。
オリジナルのイギリスのアストラゼネカーオックスフォード製、J&Jや中国製(CanSino Biologics)の同じ新型コロナDNAワクチンよりも副作用が低い結果でした。
このような急性の副作用が出る人の特徴とは何だったのでしょうか?
以上の副作用に影響していた要因として、
●女性
●高血圧
●アレルギー
●甲状腺機能低下
という特徴があることがデータとしてあがっています。
この中でも、甲状腺機能低下(=糖のエネルギー代謝の低下)があると、副作用のリスクが最も高く出ることが分かりました。
ただし、高血圧、アレルギーも甲状腺機能低下の部分症状ですので、実際は甲状腺機能低下、つまり糖のエネルギー代謝低下があると、遺伝子ワクチンの副作用が起きやすくなるということです。
これは、あくまでも急性の遺伝子ワクチンの副作用のデータですが、中長期に及ぶ副作用(慢性病)も同じく甲状腺機能低下(=糖のエネルギー代謝の低下)が最大の要因となります。
急性の副作用も、甲状腺機能低下(=糖のエネルギー代謝の低下)している人に起きやすいという結果は大変興味深いものです。
ただし、今回の甲状腺機能低下を抱えている人はすでに甲状腺製剤を服用している人(28人中27人)であり、極端に甲状腺機能が低下しているケースではありません。
したがって、糖のエネルギー代謝が回っている人以外で、「遺伝子ワクチン接種後何もなかった。」ということで安心はできません。
なぜなら、甲状腺機能低下(=糖のエネルギー代謝の低下)が極端に低下している人も、目立った急性の副作用は起こらないからです。
これは、ステロイドやオメガ3などの免疫抑制剤を服用していると、急性の症状が抑えられるのと全く同じ原理です。
今回の遺伝子ワクチンの免疫抑制作用は、サルのアデノウイルス、スパイクタンパク質、ポリソルベートやEDTAなどの成分によってもたらされていると記載しています(拙著参照)。
ポスト総ワクチン時代に入った現在、糖のエネルギー代謝をいかに高めていくかが、ワクチンの毒性を軽減する鍵になります(^_−)−☆。