私が提唱している原始人食が米国式パレオダイエットとは全く異なるものであることをお伝えしてきました。
しかし、初心者の方からは、この2つを混同しているメッセージをいただいていますので、ここでもその違いについてお伝えしたします。
原始人食は単糖類、二糖類や消化のよいデンプン質の炭水化物が中心です。
タンパク質については、炭水化物や脂質のように体内にストックできません。
そのため、体内のタンパク質の新陳代謝で必要最低限の量があります。
その量に応じて、糖の摂取を2倍以上にする(リアルサイエンスでその理由を学んで頂ければ幸いです)というのが原始人食の基本です。
脂質は、体内で糖から産生できるため、意識して摂取する必要はありません。
摂取するなら飽和脂肪酸に限定しています(プーファ ・フリーは新型コロナウイルス感染症の根本治療)。
その一方の米国式パレオダイエットでは、炭水化物を控えて、タンパク質をその分増やす方法です(アトキンズダイエットはこれを極端に行ったもので、日本の糖質制限はそのモノ真似である)。
さて、この2つの食事法が実際に私たちの体内でもたらす変化を見ていきましょう。
炭水化物とタンパク質の比によって、男性の体内のホルモンの変化を調べた臨床研究が報告されています(Life Sci. 1987 May 4;40(18):1761-8)。
炭水化物/タンパク質の比が高い高炭水化物食では、体内のテストステロン(保護ホルモン)値が高タンパク質食より高い傾向にありました。
一方で、炭水化物/タンパク質の比が低い高タンパク質食では、体内のコルチゾール(ストレスホルモン)値が高炭水化物より高い傾向にありました。
高炭水化物食および高タンパク質食の脂質の量は同じ設定です。
これはリアルサイエンスでは当然の結果なのですが、人類は炭水化物が中心にないと、ストレス反応が強く出てきます。
したがって、狩猟採集時代から人類の食事は炭水化物が中心であり、タンパク質は維持量を満たせばよいという程度の食事内容だったのです(米国式パレオダイエットは狩猟採集時代の食事内容を間違えて捉えている)。
したがって、高タンパク質食や三大栄養素の中でもあまり重要でない脂質に特化した高脂肪食(ケトン食)などは、慢性病への一里塚になるのは当然ということです。
リアルサイエンスを学べば、最も生命力がフローするのはどのような食事や環境なのかを腑に落とすことができるのです(^_−)−☆。