昨日の記事のコメントに、「ワクチンにビタミンDの生成を阻害するナガレースという酵素が添加されている」という噂に関する私の考えを聞かれましたので、この場を借りてシェアいたします。
リアルサイエンスでこの説を検証していきましょう。
まずナガレース(nagalace、α-N-acetylgalactosaminidase)という酵素は、マクロファージ活性化因子(Macrophages Activator Form/Factor (Gc-MAF))に作用して、不活性化するタンパク質です(J BUON. Nov-Dec 2017;22(6):1372-1377)。
つまり、ナガレースは、形態形成維持(現代医学が免疫系と呼んでいるものは、このほんの一部)をブロックする物質で、分かりやすい表現でいうと、オメガ3と同じ“免疫抑制物質”です。
インフルエンザウイルスなどのウイルスやガンにナガレースの発現が高いために、病原性を発揮するという報告がすでになされています(Microbes Infect. 2005 Apr;7(4):674-81)(AIDS Res Hum Retroviruses. 2006 Mar;22(3):262-71)(Transl Oncol. 2008 Jul;1(2):65-72)。
それでは、ナガレースは、ビタミンDとはどのような関係があるのでしょうか?
ビタミンDの結合タンパク質(Vitamin D binding protein (VDBP or Gc))は、体内で炎症が起こると、リンパ球から産生される酵素によって、マクロファージ活性化因子( Gc-MAF)に変換されます(ちなみにビタミンD結合タンパク質は、そのほか脂質の運搬役としても働く多機能のタンパク質なので、命名が誤解を生む)。
このことで、炎症の原因となるゴミ(炎症ゴミ)を生命場から取り除き、炎症を沈めることができます。
しかし、ここにナガレースがあると、マクロファージ活性化因子( Gc-MAF)が分解されて、免疫抑制がかかって慢性炎症が潜行します。
さて、リアルサイエンスで見ると、ビタミンDとナガレースに直接の関係がないことがお分かりになるでしょうか?
仮にワクチンにナガレースを入れるとしましょう。
この場合は、免疫抑制をかけるので、ワクチン接種によって炎症が引き起こされません(しかし、炎症は潜行する。後により激しい炎症を引き起こす)。
ワクチンに何のためにホルムアルデヒド、アルミや水銀を入れているのでしょうか?
これは体内で炎症を引き起こすためです。
ナガレースはこの炎症を一時的に抑制するのですから、ワクチンの原理に合いません。
ナガレースを注射するのは、感染症やガンを拡大するにはある程度の効果を出すかも知れませんが、ナガレースがビタミンD合成をブロックすることもなければ、ワクチンに添加するメリットもないのです。
感染症の拡大目的であれば、ナガレースをワクチンに添加することは理にかなっています。
ただし、ナガレースはタンパク質です。
ワクチンに添加した場合は、ナガレースの活性をもたない物質へと変化します(8月22日のワクチン講義で詳述します)。したがって、ワクチンにナガレースを入れているというのは意味がないので、可能性としてほとんどないでしょう。
自然療法の世界には往々にしてこういった誤認に基づいた仮説が流れています。
自然療法および現代医学も両建て(アウフフェーベン)で同じ勢力が操作していますが、リアルサイエンスに基づかないものは、今後は淘汰されていくでしょう(^_−)−☆。