皆さんだけでなく、専門家でも勘違いしていることがたくさんあります。
そのうちの一つが「抗炎症作用」と呼ばれるものについての認識です。
“抗炎症”と聞くと、感染症、関節リウマチなどの自己免疫疾患、自閉症、アルツハイマー病などの炎症性神経疾患も有効な様に聞こえますね。
ところが、この“抗炎症”という言葉は、実は玉石混交しています。
まず玉の方は、余分な炎症性物質の産生を抑えることで、私たちの組織・細胞のダメージを緩和します(これは主にプーファから産生される炎症性物質を抑制するおことによる)。
そして石の方は、生命場のゴミ掃除そのものを止めてしますことです。
これは、低血糖と同じく生命最大の危機をもたらします。
私たち生命体は、生命場にゴミが散乱するのを嫌うからです(『新・免疫革命』参照)。
専門家でもこの2つを混同しています。
私たちが必要とする抗炎症は、前者の玉の作用であり、後者の石の作用ではありません。
さて、その後者の石の作用をもたらすサプリメントが現実の社会では蔓延しています。
その代表がDHA,EPAなどのフィッシュオイル(亜麻仁オイルやエゴマなども含む)。
実際にフィッシュオイルを与えた動物実験では、インフルエンザウイルス感染症に罹りやすくなったことが報告されています(J Nutr. 1999 Feb;129(2):328-35)(J Nutr. 2009 Aug; 139(8): 1588–1594)。
これらの実験では、生命場のゴミ掃除役である好中球やNK(ナチュラルキラー)細胞、あるいはそこから誘導されるキラーT細胞(CD8)などの数と機能が低下したという結果が示されています。
フィッシュオイルを代表とするオメガ3が、マクロファージなどの生命場の掃除にダメージを与えると、生命場はゴミが散乱します。
やがて、このゴミや炎症を引き起こす“炎症ゴミ”となって、私たちの心身を破壊・蝕んでいくのです(『オメガ3の真実』参照)。
もちろん、フィッシュオイルなどのオメガ3は、感染症だけでなく、ガンを始めあらゆる慢性病の原因となります。
オメガ3の抗炎症というのは、後者の石の方なのです。
本当は、オメガ3に関しては、“抗炎症”という単語を使用すべきではありません。
オメガ3の適切な作用は、リアルサイエンスでは“免疫抑制(形態形成維持障害)”と表現すべきなのです。
感染症に限らず、健康の維持のためにも、化学合成あるいは抽出過程の複雑な医薬品やサプリメントの摂取はお勧めしていませんが、特にオメガ3のサプリメントはその合成過程からも最も危険な部類に入ります(拙著『オメガ3の真実』)。
現代社会では、当たり前のことを普通に言う事が困難になっている時こそ、リアルサイエンスが必要とされるのです(^_−)−☆。