現代医学でも喘息以外では、あまり注目されない「カフェイン」。
昔は強力な抗がん作用と感染症の治療薬として使用されていました。
最新の研究でも、パーキンソン病では、カフェインの摂取量(=尿酸の血中濃度)が低いことが報告されています(J Parkinsons Dis. 2020;10(2):505-510)。
これは相関関係を示しただけですが、これが因果関係に近い可能性があります。
カフェインは、「アデノシン」という物質の作用をブロックするのが主作用の一つです。
アデノシンは、糖のエネルギー代謝で生産されるATPの構成成分です。
一般に私たちにストレスがかかると、ATPが分解されて、アデノシンが放出されて、ストレス反応を引き起こします。
アデノシンのその作用の中でも問題になるのが、コルチゾールやオメガ3と同じ“免疫抑制”作用です(Journal for ImmunoTherapy of Cancer volume 7, Article number: 257 (2019))(Curr Opin Pharmacol. 2016 Aug;29:7-16)。
アデノシンは、元々は、ストレス時にコルチゾールと同じく、一時的に産生されて過剰な炎症を抑える役割があるのですが、現代人ではこれが慢性的に産生されて“免疫抑制”状態となっているのです。
カフェインは、このアデノシンの作用をブロックすることで免疫抑制を解除します。
また過去記事でもお伝えした様に、カフェインは免疫抑制を引き起こすセロトニンの合成・作用をブロックしてくれます。
従って、カフェインを豊富に含むコーヒーやお茶が感染症に有効なのです。
ちなみに、カフェインは体内で代謝されて、非常に重要な尿酸という物質に変換されます。
この尿酸が私たちの血液内の実際の抗酸化物質として、プーファの脂質過酸化反応などを防いでいます。
抗酸化物質を外から摂取する必要がないのは、尿酸が実質的な唯一の血液内抗酸化物質として存在しているからです。
外部からの過剰の抗酸化物質は、逆に細胞内に入って慢性病の根本原因である還元ストレスを招くことは過去記事でもお伝えしました。
私たちの体は、外から余分な抗酸化物質を摂取しなくても、糖やカフェインから必要な抗酸化物質が作れるのです。
またフルクトース(果糖)も尿酸の産生を高めます(『ハチミツの真実〜続編』講座 参照)。
従って、感染症だけでなく、あらゆる慢性病を引き起こす“免疫抑制”を解除するには、カフェインの入ったコーヒーにたっぷりと糖やハチミツを入れるのが理想です(^_−)−☆。
もちろん、お茶に甘い和菓子(プーファフリー)もお勧めです。