日本で新型コロナウイルスに感染した場合は、市街が閉鎖(lockdown)されている武漢と同じようになるのでしょうか?
2020年に入ってから、新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)感染がピークを迎え、現時点では明らかにその勢いは衰退しています。
それに伴って疫学的調査結果を中心として新型コロナウイルスに関する新しい研究論文が日々報告されるようになっています。
3/21東京および3/25の『新型コロナウイルスの真実』講義では、とてもその全部をお伝えすることはできませんので、ここでもその研究論文の一部をシェアしたいと思います。
武漢のある湖北省よりもさらに東の日本に近い浙江省での新型コロナウイルス感染の最新レポートが報告されています(BMJ (Clinical research ed.). 2020 Feb 19;368;m606)。
2020年1月10日~26日の期間、中国・浙江省で新型コロナウイルス(COVID-19)患者受け入れ登録施設である 7病院に検査入院し、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染が確認された62例のデータを分析しています。
ちなみに、新型コロナウイルスをCOVID-19(コウビット19)とWHOが名付けましが、遺伝子解析の結果からは「SARS-CoV-2」と呼んだ方が適切です(その理由は講義で詳しくお伝えします)。
62例中23例(37%)が武漢市に居住。残り39例(63%)は発症前に武漢へ旅行していました。
浙江省の感染患者は感染源とされる華南海鮮市場への出入りはありませんでした。
56例(90%)でSARS-CoV-2感染が確認されている人との濃厚接触を確認していることから、マスコミやネットで流布さている海鮮市場が感染源ではなく、感染した人が感染源になっていることが伺えます(ヒト-ヒトの感染経路)。
気になる感染症状はどうでしょうか?
主な症状は、発熱:48例(77%)、咳嗽:50例(81%)、喀痰:35例(56%)、頭痛:21例(34%)、筋肉痛または疲労感:32例(52%)、下痢:3例(8%)、喀血:2例(3%)でした。
入院中に呼吸困難を訴えたのは2例(3%)のみで、集中治療室への入室は1例のみ。しかも、調査中の死亡例はありませんでした。
62例中20例(32%)に糖尿病や脳血管障害などの基礎疾患がありました。やはり免疫抑制状態に高率に感染していることが今回の調査でも浮き彫りになっています。
以上から武漢で感染した患者と比較して、浙江省の患者の症状は軽度(通常の感冒症状)だったということです。
浙江省よりもさらに海を隔てて離れている日本では、さらに症状は軽いはず(人工感染症の基本(^_−)−☆)なので、過剰に心配する必要は全くありません。
ただし、プーファ、鉄、エストロゲン、乳酸過剰や放射線で免疫抑制状態にある現代日本人は、軽いストレスでも容易に体調を崩しますので、普段から糖のエネルギー代謝を高めておくことに越したことはありません(^_−)−☆。