皆さんの周りにも、学習障害や多動症(注意欠陥多動症:ADHD)と診断された学童児あるは成人が存在していると思いますが、いかがでしょうしょうか。
私は、以前からこのような病名は誤解を生むだけで意味がないとお伝えしてきました。
それは、これらの病名(命名)は、心身の状態の表しているに過ぎないからです。
みなさんも、一年を通じて、あるいは1日の中でも調子の良い時と悪い時がありますよね。
これと同じで、何かが原因で一時的に心身の不調に陥っている状態にすぎないのです。
この心身の不調は、やはり糖のエネルギー代謝の低下です。
実際にエストロゲン合成をブロックすると、衝動が抑えられ、行動をコントロールすることが可能になります(Behav Brain Res. 2010 Jan 20;206(2):216-22)。
さらにセロトニンも衝動・攻撃性に深く関与していることが分かっています(Curr Top Behav Neurosci. 2014;17:297-313)(Neurosci Biobehav Rev. 2012 Jan;36(1):218-36)。
エストロゲンとセロトニンはお互いを増強し合う関係にあり、いずれも糖のエネルギー代謝をブロックします。
特にエストロゲン、セロトニンが増加した状態が多動症の本質なのです。
その逆に、いつも落ち着いていて、物事を俯瞰して見ることができる特質は、保護ホルモンであるテストステロンと相関していることが最新の研究でも報告されています(Neuropsychopharmacology. 2019 Feb;44(3):538-545)。
女性の場合は、プロゲステロンになります。
多動症は、高エストロゲン、セロトニンという“状態”を反映しているだけであり、現代社会の問題を身を以て提起してくれているのです(^_−)−☆。