皆さんは、愛情ホルモンあるいは絆(きずな)ホルモンと呼ばれているホルモンをご存知でしょうか?
オキシトシン(oxytocin)と呼ばれている脳下垂体ホルモンです。
このホルモンは、乳汁分泌や子宮収縮あるいは排尿を止める作用を持っています。
妊娠が継続できない根本原因はストレスにありますが、ストレスによってオキシトシンが放出されることで、中絶します。
また、ストレスがかかると排尿を止めます。この時に、脳から放出されているのが、抗利尿ホルモン(ADH)と呼ばれるホルモンで、オキシトシンとほぼ同じ構造をしています。
さて、この様にストレスと関連しているはずのオキシトシンですが、なぜか現代医学やポップカルチャーでは、愛情あるいは絆ホルモンと呼ばれています。
これはあるネズミの実験結果について、その解釈の過ちから発生したのですが・・・・
そこから、以前にもお伝えした様に、オキシトシンのスプレーなどがマーケットに溢れる始末まで発展しました。
これは、相手の好感を得る目的で、オキシトシンを相手に吸わせるものです。
最近はあまりこの話題を聞かなくなりましたが、その後どうなっているのでしょうか?
さて、最新の研究で、オキシトシンは紛れもないストレス物質であることが報告されています(Med Hypotheses. 2019 Dec;133:109394)。
オキシトシンの投与によって、ストレスホルモンのコルチゾールおよび血圧が上昇することが確認されたのです。
これでは、オキシトシンを吸わせた相手に、逆に警戒されることになるはずです(^_−)−☆。
なお、糖のエネルギー代謝が回っていれば、オキシトシンを速やかに分解して、オキシトシンが引き起こすストレス作用を打ち消すことができますのでご安心を。