Book

『マスコミも顔負けの医学論文スピン!』

芸能人やスポーツ選手の結婚、離婚騒動や薬物使用、桜を見る会・・・。

みなさんもすでにご存知のように、これらは全て「spin(スピン)」と言われる目くらましです。

この「spin(スピン)」という言葉。

元々は、「印象操作」という意味です。

みなさんの頭に残る記憶を操作するという意味が「spin(スピン)」には込められています。

さて、医学論文にもたくさん「spin(スピン)」が行われていることをご存知でしょうか?

私がプーファ、特にオメガ3、エストロゲン、セロトニンや医薬品の論文でよく見かけたスピンは、実験結果と結論が逆になっているものです。

結論や論文の要約(abstract)だけを読むと、完全に見誤ってしまいます。結論には、実験結果という客観的なデータの解釈で、多分に主観(研究の資金提供者の(^_−)−☆)が入るからです。

過去の医学論文における様々なスピンを調査した研究では、システマティックレビュー論文26%に対して試験論文では56%にスピンが認められることが報告されています(PLoS Biol2017;15:e2002173)。

調べた範囲だけでも、薬剤の試験論文などでは半数以上がスピンなのです・・・・・・

さらに・・・・・

今回、そのスピンを調べた研究そのものにもスピンがないかを調べた最新の調査結果が報告されていました(BMJ 2019;367:l6202)。

この研究では、まず以下のようにスピンの定義がきちんとなされています。

(1)研究結果の表現や解釈をゆがめた報告や、まぎらわしい解釈を創作している

(2)結果と解釈が一致しておらず、解釈では良好であると示されているがデータや結果が伴っていない

(3)因果関係を試験デザインから導き出せない(疫学調査)

(4)結果の過剰解釈や不適切な外挿が認められる

さて、その結果は・・・・・

35のスピン研究のうち、スピンが認められたのは5件(14%)という結果でした。

OMG!

少数とはいえ、スピンを調べた研究そのものにスピンがあることが発覚したのです。

これは、現実社会そのものを反映しているように思えてなりません。

特に「嘘は泥棒の始まり」とする日本の昔の風習は、世界でも絶滅危惧種です。

世界のほとんどは、残念ながら「生きている以外は全部嘘」「朝から晩まで嘘を吐く」「息を吐くように嘘を吐く」と言った行動習慣(エートス)がメジャーになっています(あれ、日本にも同じような人が目立つ??)。

それはさておき、医学研究というのは、基礎のサイエンスを積み重ねたところに新たな発見があるものです。

一回の研究論文のスピンごときでは、びくりともしない基礎の土台があるからこそ、すぐにスピンが見抜けるようになります。

「新しい研究で・・・・という新事実が発見されました!」というようなマスコミの垂れ流し報道にすぐに食らいつくのではなく、基礎のサイエンスをしっかりと積み上げていきましょう(^_−)−☆。

 

関連記事

  1. 『“オーガニック”ものも安心できない理由〜俯瞰シリーズ』

  2. 『フードファシズムによる「食」の制限』

  3. 『蘇るジャンナーの種痘〜俯瞰シリーズ』

  4. 『私たちには感染していなくてもすでに免疫がある!』

  5. ◆TUEET(エーテルエネルギー学会) ニュースレター ◆  『骨と水…

  6. 『ジョーンズ氏のプランテーション(奴隷牧場):私たちの現実社会』

  7. 『どこでも発電:次世代太陽光発電〜フリーエネルギーまでの中継ぎ役』『ど…

  8. 『リーキーガットと腸内細菌』