いつの時代でも年をとると、「最近の若い者は・・・・・」というフレーズが出るようになります。
ということは・・・・・
昔に遡るほど、元気な人が多かったのではないでしょうか?
この仮説を裏付ける研究が発表されています(Science, 2019; 20: 168)。
マウスの動物実験ですが、妊娠マウスをダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(polychlorinated biphenyls (PCBs))を暴露させています。
いずれも工場廃棄物ですが、いまや土壌・水質まで汚染されているため、植物・動物もダイオキシンなどの組織濃度が高くなっています。
したがって、これらの植物・動物を食べるヒトはこれらの環境汚染物質を濃縮することになります(生物学的濃縮)。
さて、この妊娠マウスから産まれた子マウス。
この子マウスは、リンパ球の中のT細胞(cytotoxic T cells)の産生および機能が低下しました。
そのため、インフルエンザウイルスに容易に感染するようになったようです(研究では、だからワクチンが重要と誘導していますが、もう誰もその手には引っ掛かりませんのであしからず(^_-)-☆)。
さらに・・・・・・
この子マウスから産まれた孫マウスもダイオキシンやPCBに暴露していないにも関わらず、T細胞(cytotoxic T cells)の産生および機能が低下しました。
この傾向はとくにメスのマウスに顕著だったようです。
ダイオキシン、PCBは代表的なエストロゲン作用物質です。
エストロゲンは暴露した人に、免疫系の異常や発がんを促すだけでなく、その子供そして孫の世代まで影響を及ぼすことを基礎医学シリーズ等の講義でお伝えしてきました(TUEETのベーシック・サイエンスで再度詳しく説明しますね(^_−)−☆)。
今回の結果もこれを追証する結果となっています。
このように先祖の世代の影響が子孫で影響してくること。
そして、現代社会では、環境汚染が加速していること。
この2つの要因によって、ますます世代を下るごとに「体が弱く」なっているのですね(^_-)-☆。
体力・精神力がないのは、あなた個人だけの問題ではありません。
しかし、少しでも体力・精神力を回復させるためには、みなさん個人の努力(本当の学びと生活習慣の改善)が必要です(^_−)−☆。