先日、日本のCTスキャンの被ばく量は世界のトップレベルであることをお伝えしました。
それでは、CTスキャン検査を受けた場合に、実際の影響があるのでしょうか?
この問いかけについて、興味深い研究が報告されています(Cell Stem Cell 25, 1–13, September 5, 2019)。
マウスに日本の胸腹部CTの1回の線量(50mGy)を照射して、食道の細胞を調べています。
放射線照射によって、変異した細胞(P53遺伝子変異)が増加し、正常細胞を凌駕しました。この細胞はガンになる潜在性があります。
抗酸化物質とされている「Nアセチルシステイン」。
これを放射線照射の前に、マウスに投与しておくと、正常細胞が変異細胞を凌駕したといいます。
ところが・・・・・
Nアセチルシステインだけを投与しても、正常細胞が変異細胞を凌駕することはありませんでした。
?????
Nアセチルシステインは、以前にもお伝えしましたが、がんを増大・転移させる作用があります(この研究でもそれは認めています(^^♪)。
おそらく、この実験で増加したという正常細胞は、他の変異があった可能性があります。
それはともかく、1回の胸腹部CTの検査でも、生体実験(in vivo)で十分に細胞を変異させることが明らかになりました。
まだ日本の病院では、CT検査を当然のようにオーダーしていますが、その前にこのような副作用を十分に説明しないといけないことは論を待ちません(^^♪。