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『トランス脂肪酸は心臓に悪いのか?』

 

みなさんは、「トランス脂肪酸」という言葉をご存知でしょうか?

プーファ(酸化すると悪臭を放つので)を飽和脂肪酸に人工的にする際(水素添加)、不飽和脂肪酸の一部が反応性の高いシス型(折れ曲がっている構造)から、熱力学的にも安定したトランス型に変化します。

この比較的安定したトランス型の不飽和脂肪酸をトランス脂肪酸(trans fatty acids)と呼んでいます。

マーガリンやショートニングといったものに少量含まれています。

トランス脂肪酸は、化学構造式も飽和脂肪酸に近い直線状構造です(プーファは折れ曲がっています(^_-)-)。

メインストリームの医学では、プーファ(PUFA)の毒性を隠蔽するために、糖、コレステロールとこのトランス脂肪酸を悪玉にしてきました。

米国のレストランでもトランス脂肪酸の表示が義務づけられるほどです(GMOの表示はしない・・・・・(^^)。

しかし、本当にトランス脂肪酸はプーファよりも健康被害が大きいのでしょうか?

そのトランス脂肪酸について大変興味深い研究が報告されています(Health Place. 2018 Sep;53:128-134)。

心臓の突然死とトランス脂肪酸の血液濃度には関係はなかったという結果でした。

心臓の突然死は、トランス脂肪酸よりも・・・・・・

健康に悪いファストフードやコンビニが自宅の近所にあることの方に相関していました。

ファストフードやコンビニは、プーファの宝庫ですね(^_-)-☆。

興味深いのは、このように健康に悪い食品を揃えている店が近くに住んでいる人のトランス脂肪酸の血液濃度はむしろ低かったという点でした。

??????

と思った人もいるでしょう(^^♪。

これはよく基礎のサイエンスを反映したエビデンスです。

実は、トランス脂肪酸はプーファより安定しているだけでなく、最も脂質過酸化反応を起こしやすいオメガ3(EPA,DHA)の合成をブロックするのです!(PLoS One. 2012; 7(3): e32175)。

トランス脂肪酸が多いとプーファは少ない。

プーファが多いとトランス脂肪酸は少ないという関係にあるということです。

 

トランス脂肪酸の臨床実験はエビデンスレベルが低いことも明確にされています(介入試験ではランダマイズされていない、他の交絡因子を排除していない)(Trends Cardiovasc Med. 2019 Jul;29(5):306-31)。

現代医学が都合よく産業界よりのデータを出すときに、よく使うのが疫学的調査というエビデンスレベルの低い研究(研究といってもデータを収集して都合よく統計いじりするだけ)。

これはサイエンスでも何でもありません。

基礎のサイエンス(生化学や病態生理学など)こそが真実であり、多くの臨床試験というのは良くてその補足でしかなく、悪い場合は真実は逆の結果を導くことができる代物なのです(^^♪。

トランス脂肪酸が良いと言いませんが、少なくともプーファをブロックするということは、プーファよりもはるかに害が少ないということだけは間違いありません(^_-)-☆。

 

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