Book

『乳がんのホルモン療法は、なぜ危険なのか?!』

 

ボディビルの世界では、ある薬剤がよく使用されていますが、みなさんはご存知でしょうか?

それは・・・・・・

エストロゲン合成ブロック製剤(アロマテース阻害剤)です。

エストロゲンはいわずと知られているキャタボリック・ホルモン(catabolic hormone)。

筋肉を崩壊させていきます。

しかし、この薬剤を長期間使用していると、逆に筋肉が落ちていくために、使用を途中でやめないといけないことをボディビルダーの人達は知っています。

さて、たくさんの乳がんの方から今まで治療についてご質問を受けてきましたが、そのひとつに「ホルモン療法」なるものがあります。

これは端的に言うと、エストロゲンが乳がんを増大させるから、エストロゲン受容体(実際は受容体は存在しない)が陽性の乳がんには、エストロゲン受容体を占領するような薬剤を投与するとよいというものです。

これを専門用語では、「選択的エストロゲン受容体モジュレーターSelective Estrogen Receptor ModulatorSERM)」と言います(命名が上手ですね(;^_^A)。

その代表がタモキシフェン、ラトキシフェン(~フェン fene)と呼ばれる薬剤です。

これらの薬剤は、実際のところ、乳房においてはエストロゲン刺激はしないものの、他の全身の臓器ではエストロゲン作用をするので、大変危険です(Mol Endocrinol. 1995 Apr;9(4):443-56)。

乳がんの術後などで、これらの薬で「ホルモン療法」を受けた女性に、子宮がんや卵巣がんになったことは過去にも報告されています(Isr Med Assoc J. 2017 Mar;19(3))(Gynecol Oncol. 2017 Feb;144(2):329-335:164-167)。

そして、ボディビルダーが使用するアロマテース阻害剤。

こちらは、アンドロジェン→エストロゲンの代謝をブロックするものです。

これらのアロマテース阻害剤も、肝機能障害が強くでることから、少なからずエストロゲン作用をしていることが伺えます。

つまり、化学合成の薬剤は、長期的には必ず癌の再発等の副作用が出るということです。

 

乳がんのホルモン療法で使用される「選択的エストロゲン受容体モジュレーターSERM)」という薬剤は、開発の過程でエストロゲンに化学構造式が非常に似通ったものを実用化しています。

あの赤ワインに含まれる抗酸化物質のレスベラトロール(stilbenoid)も、まさに3世代に渡って惨禍(不妊、ガン)を招いたジエチルスチルベストロールDES)というエストロゲン製剤とほぼ同じ構造をもっています。

なぜ乳がんのホルモン療法や抗ガン剤が危険なのか?

それはその薬自体がエストロゲン作用物質だからです(^_-)-☆。

 

関連記事

  1. ◆パレオ協会Q&A◆ 『梅干しについて』

  2. 『もっともシンプルで美しい自然の原理』

  3. 『医療従事者に優先してワクチンを接種するエビデンスは?』

  4. 『アジェンダ・ベイスド・メディスン(ABM):お粗末すぎる臨床試験論文…

  5. 『ヒトはなぜ草食になれないのか?〜リアルサイエンスシリーズ』

  6. 『若者の加齢現象』

  7. 『新型コロナ関連の医学論文の80%はフェイク』

  8. ◆パレオ協会基礎医学ニュースレター◆   『“筋肉の霜降り化”は最大…