みなさんは、若いときから何かしらのスポーツをしたことがあると思います。
スポーツを糖のエネルギ―代謝(サイエンスの基本)から見ると、あまりお勧めできるものではないということをずっとお伝えしてきました。
今回、そのスポーツでも、プロのフットボール(NFL)と野球選手(MLB)での死亡率の比較をした興味深い研究が報告されています( JAMA Network Open, 2019; 2 (5): e194223)。
もちろん、フットボールのプロがあるところですから、米国の調査です(*^。^*)。
その結果は、私の予想通りでした。
フットボーラーの方が、メジャーリーガーよりも、26%死亡率が高いという結果でした。
とくに脳神経変性疾患(アルツハイマー、パーキンソン、筋委縮性側索硬化症(ALS))による死亡は、フットボーラーの方が3倍高く、心臓血管疾患でも2.5倍高いという結果でした。
フットボーラーが脳の変性疾患が多いのは、論文でも指摘されていましたが、頭部を強く打撲することが影響している可能性はあると思います。
しかし、心臓血管疾患や他の病気での死亡率も高くなるのは、これだけでは説明がつきません(論文では、フットボーラーの方が、体マス指数(BMI)が高いからと説明していますが・・・・)。
私が、スポーツはサイエンスの基本から見て、お勧めできない理由として以下を挙げています。
・自分で呼吸を調整できない(強制的に無・低酸素状態でやらないといけない)
・プレー中に頻繁に糖を補給できない(低血糖状態でやらなければならない)
・身体をバランス良く使用していない
この条件を眺めれば、マラソン、トライアスロンなどは健康の面からは論外ということが分かります。
そしてフットボーラーの方が上記の条件を満たしています。
野球選手は攻守交代があり、ベンチで休む時間も長いです。また、野球はプレー中でもサッカー、バスケやフットボールのように常時走らないといけないスポーツではありません(むしろ投手、捕手以外はじっとしている時間が長い)。
この差が出たものと解釈できます。
だからといって野球が理想のスポーツとは言えません。
野球もゴルフも身体活動的には低くて、呼吸も調整しやすいのですが、やはり身体をバランスよく使う身体活動ではありません。
それでは、なぜ過酷なスポーツを長年やって長生きしている人がいるのでしょうか?
これは、糖のエネルギー代謝が小さいときから回っている人がエリートして生き残るからです。
元々、スポーツの世界で生き残っている人たちは、糖のエネルギー代謝が高いのです。
それでも過酷な競技のために、ほとんどは糖のエネルギー代謝が低下して脱落していくのです。
スポーツをやっているから身体があれだけ立派(糖のエネルギー代謝が回っている)なのではなく、元々立派な人が選りすぐられているというと分かりやすいでしょうか。
スポーツよりも、日常生活で身体活動する方がよほど糖のエネルギ―代謝は高まります(*^。^*)。
昔は、百の仕事が家事としてあったから百姓(ひゃくしょう)と言ったのです(*^。^*)。