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『レオナルド・ダ・ヴィンチは多動症だった?!』

 

不世出(ふせいしゅつ)の天才とわれるダ・ヴィンチ。

たくさんの優れた芸術品を遺しました。

しかし、彼の死後500年経過しても未完成のものが残っています。

ダ・ヴィンチについて書かれた伝記では、彼はたくさんの創造的なプロジェクトを考案するのに多大な時間を費やしましたが、その一つ一つのプロジェクトを最後まで遂行することはなかったようです。

一つの作業に集中することがとても苦手であったようなのです。

この傾向は、ダ・ヴィンチが成人してからはより顕在化したようです。独立した画家として得た初仕事では前金を受け取りながら納品せずに活動拠点を移しています。

「最後の晩餐」の作業現場を目撃したダ・ヴィンチと同時代の作家マッテオ・バンデッロも著書の中で「ダ・ヴィンチは移り気な性質の持ち主で、物事をまとめる力は皆無であった」という証言をしています。

そのダ・ヴィンチの性格・行動について、現代で言うところの「注意欠陥多動症(ADHD)」ではないかと推測する論文が発表されています(Brain. 2019 May 23)。

いわゆる多動症は、子供とくに男の子に多い状態としてデータが残されていますが、現代では成人でもかなりの数にのぼると言われています。

・容易に気が逸れる(気が移り変わる)

・心身ともにじっとしていられない

・一つの事に集中できない・・・・etc.

などが典型的な兆候として挙げられています。

ダ・ヴィンチも左利きで、失読症(本などの記述の内容が理解できない)があったのではないかと言われています。

彼は65歳のときに左脳が脳卒中におかされますが、言語能力はその後もほとんど維持されていたといいます。この事実や、彼が鏡文字を書いたり、スペルミスが多いことなどから、彼の言語脳は右脳にあり、失読症であったのではないかと推測されています。

言語脳が普通は左脳にありますが、人口の5%未満に右脳にある場合があります。実は多動症を含む自閉症スペクトラムでは、右脳に言語中枢があることが多いという事実が分かっています。

しかし・・・・・・・・

移り気が激しい、文字が読めない(失読症)というようなマイナス面をカバーしてあり余る能力があります。

ダ・ヴィンチをみて分かるように、極めて高い創造性・独自性や芸術性を発揮できる能力があるのです。

ただ、この創造性を形にして完成させたり、持続させたりするのが難しいため、成人の多動症では、不安神経症やうつ病になりやすくなります(これには現代の硬直した社会システムという「病気の場」が関係しています)。

多動症はひとつの才能ですから、これを生かせる「場」があれば、能力は開花するのです。

エニアグラムでは、ダ・ヴィンチは典型的な4番(ウイングが5番)で自閉症傾向というのが私の印象でしたが、多動症もここに含まれてくるのは興味深い知見でした。

そういえば・・・・・

私も中学生の全盛期には、芸術や技術の時間には、クラスを抜け出して、近くの山にクワガタをとりに行っていました・・・・

多動症はエニアグラムの「3、7,8」の特徴と考えていましたので、再考を迫られそうです!(^^)!。

やはり、性格の傾向はあるものの、糖のエネルギ―代謝の高さ次第で、予想もつかないようなバリエーションが出てくるのが生命の醍醐味ですよね!(^^)!。

私たちは誰しもが、ダ・ヴィンチのように欠点と見なされる特質も持ちながら、それを凌駕する能力を持っています。

その能力を開花させるのも「場」であり、かつ糖のエネルギ―代謝次第ということです!(^^)!。

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