気質とか、生まれつきという言葉が一般社会では実体のあるものかのように語られています。
現代の主流なサイエンスそのものが、この「生まれつき」という概念を中心に成り立っています。
現代医学はそれを「遺伝子決定論」として、あらゆる病気は遺伝子の問題であるというストーリーを構築してきました。
さらには病気だけでなく、ゲイになりやすいゲイ遺伝子やアルコール中毒になりやすい遺伝子などが発表されたりしています・・・・
OMG!
今回、うつ病になりやすい遺伝子についての研究結果が報告されました(Am J Psychiatry. 2019 Mar 8:appiajp201818070881)。
うつ病になりやすい傾向は、18個の遺伝子にあるとされています。
つまり、この18個の遺伝子を調べれば、その人がうつになりやすいかを判定できるというものです。
今回の調査は、62万人の遺伝子とうつ病との関係を調べています。
その結果は・・・・
この18個の遺伝子とうつ病の関係は全くなかったのです。
ランダムに選んだ遺伝子とこの18個の遺伝子は、うつ病になるリスクはほとんど同じ。
つまり、特定の遺伝子がうつ病になりやすい傾向があるということはなかったということです(#^.^#)。
うつ病に関しては、特定の遺伝子が病気を引き起こすという仮説(candidate gene hypotheses)は、廃止すべきであると結論づけています。
とは言うものの、この論文では、乳がんやアルツハイマー病は、明確に原因遺伝子があるとしています。。。。。。。
そのようなものはありません(^_-)-☆。
遺伝子は単なる設計図で、それを生かすも殺すも、あるいは変更を加えるのも、すべて糖のエネルギー代謝(大工さん)によります。
そして、その設計図(遺伝子のスイッチ)は環境や糖のエネルギー代謝によって、時々刻々と変化するのです。
遺伝子検査をしても、病気や特質の原因ではなく、時々刻々変化している環境や糖のエネルギー代謝状態の”結果”しか分からないということです。
その良い例が先日お伝えした、プラナリアの実験。
生体電流(糖のエネルギー代謝がもたらす)で遺伝子のスイッチが変わってしまいます。
つまり、遺伝子いうのは、あくまでも”結果”であって、原因(あるいは出発点)ではないということをしっかりと落とし込んでおきましょう(^_-)-☆。
みなさんは、「生まれつき」と言って落ち込むことはないのです(^^♪。