みなさんは、何か砂糖のたくさんふりかかった甘いものに抵抗はないでしょうか?
「砂糖が糖尿病やがんを引き起こす」という洗脳は、かなりみなさんの潜在意識に浸透しています。
その洗脳の隙間に滑り込んできた(用意されていた)のが「人工甘味料」です。
極めて無責任な″砂糖悪玉説”によって、ソフトドリンクの甘味料は、いまやほとんど人工甘味料に変質しています。
その人工甘味料には、カロリーおよびノンカロリーのものがあります。
前者の代表が、ここでも何度か取り上げましたGMのブドウ糖果糖液糖(HFCS)。
後者の代表がサッカリン、アスパルテームやネオテームなどです。
さて、最新の疫学的調査で人工甘味料入りのソフトドリンクの常用すると早死にする傾向にあることが報告されました(Circulation. 2019;139)。
今回はノンカロリーのものではなく、GMのブドウ糖果糖液糖(HFCS)入りのソフトドリンクにその傾向があるという結果でした。
1か月に1回ソフトドリンクを飲む人に比べて、1~4回飲むと早期死亡リスクは1%上昇、1週間に2~6回飲む人は6%の早期死亡リスク上昇、そして1日に2回以上飲む人は、21%の早期死亡リスク上昇という結果でした。
つまり、ソフトドリンク(ブドウ糖果糖液糖)の摂取量に比例して早期死亡率が高くなるということです。
ソフトドリンクは脂肪の蓄積を引き起こしますが、これは早期死亡リスクを高めます(J Natl Cancer Inst. 2010;102:771–783)( Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2005;14:2098–2105)。
さらに、ソフトドリンクの摂取量と心臓血管疾患、肥満、糖尿病、脳卒中の発症リスクが関連しています( Diabetes Care. 2010;33:2477–2483)(J Clin Nutr. 2009;89:1037–1042)( Circulation. 2012;125:1735–41)(Am J Clin Nutr. 2012;95:1190–1199)。
今回の研究では、ソフトドリンクの摂取量とがんによる死亡リスクにも一定の関連が認められたようです。
早期死亡の主因としては、ソフトドリンクの摂取によって糖尿病リスクが高まることとしています(前回はブドウ果糖液糖(HFCS)によって脱水やがんが増大することをお伝えしました)。
さて、一方のアスパルテームなどのノンカロリーの方はどうでしょうか?
ブドウ糖果糖液糖をノンカロリーの人工甘味料に変えることで、早期死亡リスクは少し低下したようです。
これをもってこの研究では、ブドウ糖果糖液糖(HFCS)をノンカロリーの人工甘味料に変えることを提案していますが・・・・・
ノンカロリーの人工甘味料の販促のような論文ですね。
しかし、女性においては、ノンカロリーの人工甘味料の摂取量に応じて、やはり早期死亡リスクは高くなったため、過剰摂取は控えるようにと忠告していました(^^♪。
しかし、よく論文を読むと、ノンカロリーの人工甘味料の長期摂取とがんの関係にも言及しています。
さらにブドウ糖果糖液糖よりもむしろノンカロリーの人工甘味料が、脳卒中や認知症と関係していることも報告されています(Stroke. 2017 May; 48(5): 1139–1146)。
少なくとも今での研究報告を総合すると、人工甘味料はカロリーおよびノンカロリーのいずれも心身に悪影響を与えることは間違いないということですね(^^♪。