笑いはよく最上の薬といわれます。
しかし、その医学的根拠はあるのでしょうか?
以前は笑いによって、免疫細胞(NK cell)が活性化するというような話が一般に流布されていました。
今回、実際に笑いを誘う電気刺激を脳に与えた臨床結果が報告されました(J Clin Invest. 2018 Dec 27. pii: 120110)。
これは脳外科のてんかんの手術で、てんかんの原因となる脳実質をえぐり取るという、なんとも荒っぽい手術があります。
そのときに、言語、感情あるいは感覚などの神経経路を傷つけないように、患者さんに麻酔をかけずに覚醒した状態で行います。
手術しながら、言語、運動などの神経経路がダメージを受けていないかを患者さんに頻回に尋ねるのです。
患者さんにとっては、目が覚めている状態で自分の脳が触られているのですから、不安はマックスになっていますよね。
残酷な手術です・・・・・
このときたまたま電気刺激した部位(帯状束)が患者さんの笑いを誘いました。
そのあとを観察していると、患者さんにこころの平静、落ち着き、さらには幸福感が見られたのです。
笑いのあとにリラックス作用が現れたということですね。
糖のエネルギー代謝が回らない状態では、この”リラックス状態”をつくることができません。
細胞レベルでも興奮状態が続いて、リラックスができないのです。
筋肉細胞を例にすると、糖のエネルギー代謝が回らない状態では、筋肉がずっと収縮(興奮)したまま拡張(リラックス)しません。
死後硬直がその典型例ですが、死亡したときには筋肉は硬くなったままです。
心臓では、心筋細胞が興奮のままリラックスできないと、心筋症や心不全といわれる状態になります。
この”リラックス状態”を笑いが作ってくれるのです。
笑いは糖のエネルギー代謝を回す作用があるということです(^_-)-☆。
笑いは最上の薬というのは間違いないですね(^_-)-☆。