先日、ある方から血液を浄化するために「オゾン療法」を、ある国公立大学医学部を卒業された優秀なドクター?から勧められたが大丈夫かというご質問を頂きました。
なんでもエリザベス女王も定期的に行っているという触れ込みだったようですが。。。。
あの~。。。。。。。。
オゾンは酸素原子が3つくっついた分子。
酸素ですから酸化力は半端ではありません。
通常はこの強力な酸化力を用いて、医療機器・水道水などの殺菌に使用されています。
これを人間の血液に入れる???
塩素・フッ素・鉄や長鎖不飽和脂肪酸をダイレクトに血管に入れるのと同じことですから(いずれも強力な酸化作用)、体中が錆(さび)だらけ(過酸化脂質、活性酸素種の塊)になるのは必須です。
さて、このオゾンは工場、車等の排気ガスから出される大気汚染物質(光化学オキシダント)として指定されています。
最新の研究で、外傷など体力が低下している人がこのオゾンに暴露した場合に重症かつ致死性の肺疾患(急性呼吸不全:ARDS)になるリスクが高くなることが報告されました( American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, news release, Jan. 7, 2016)。
もっとも大気汚染にはオゾンだけでなく、エストロゲン作用物質も含まれていますので、ガン、心臓血管疾患、脳卒中などの慢性病を引き起こします。
現代医療でない治療法(民間療法という呼び名は適当ではありません)には根本治療ができる素晴らしものがあります。
しかし、そこに到達するまでにはやはりサイエンスの基礎を勉強する必要があると思います(私もまだまだこの段階です。。。。)。
あとは”良識”を働かせることですね~
そこをすっとばして新たな治療法!や他人がやっているというだけでその治療法に飛びつくのは本当の臨床家のやることではありません。
透析は別としても、くれぐれもある“物質”を血液の中に入れて“浄化”するというようなファンタジーには陥らないようにしてください(*^_^*)