(特定の成分を抽出して常用(過剰摂取)する危険性~その1)
若年者がエナジ―ドリンクを摂取すると、インスリン抵抗性や血糖値の上昇が引き起こされるという研究結果がカナダ、バンクーバーで開催された国際糖尿病連合(IDF)世界会議2015で報告されました。
実験対象は13~19歳の若年者20人。
米国で販売中の「5-hour Energy」と呼ばれる栄養ドリンクを用いたランダム化比較試験を行っています(ボトル容量が57mLで、砂糖は含有せず、208mgのカフェインを含んでいます)。
カフェイン含有の5-hour Energyを摂取する群と、カフェイン抜きの5-hour Energyを摂取する群にランダムに割り付け、摂取後40分に経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を実施しています。
その結果は。。。。
カフェイン含有の栄養ドリンクを摂取した群では、カフェイン抜きの群に比べて血糖値が24.6%、インスリン値が26.4%上昇したといいます。
う~ん。
ちょっとこの研究で使用したドリンクは特殊ですね~
通常はこの手のエナジ―ドリンクにはカフェインとともに砂糖も入っています。
おそらく砂糖入りであれば、血糖値やインシュリン値は上昇しなかったと思います。
それは、砂糖抜きのエナジ―ドリンクでは血糖値が低下するため、ストレス反応が起きて肝臓のグリコーゲン分解、あるいは脂肪分解による血糖値上昇が起きたと考えるからです。
この実験で私が感じる問題の焦点は違うところにあります。
それはカフェインだけを抽出して合成したドリンクの問題。
コーヒーや緑茶にもカフェインがもっと豊富に含まれていますが、むしろその健康効果が報告されていますよね。
これは食品全体の相互作用がもたらしているもの。
その一部を抽出して常用する(過剰摂取につながる!)ことの危険性がこのような単純な実験からも明らかになっているということです。
それはポリフェノールなどの抗酸化物質(正確には毒性物質)にもあてはまります。