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『睡眠薬を常用してはいけない理由〜リアルサイエンスシリーズ』

 

・疲れているのに眠れない
・夜中に何度も起きる
・目覚めがすっきりしない

など睡眠の質は、翌日のパフォーマンスに多大な悪影響を及ぼします。

睡眠と慢性病の関係も過去から多数報告されています。

とりわけ、加齢、つまり糖のエネルギー代謝が低下してくると睡眠の質が劇的に落ちてきます。

そこで登場するのが、「睡眠薬」です。

薬の代謝時間によって、睡眠導入剤、睡眠を長くする薬剤などに分類されています。

 

私は研修医時代から、1月に半分は当直業務(翌日も休みなし)だったこともあって、この睡眠薬に長らくお世話になっていました。

 

 

夜間の当直では、頻繁に起こされるので、起きるたびに覚醒します。

 

すると、それ以降は眠れなくなるのです。

 

ところが、睡眠薬を服用すると、夜中に何度起こされても、その後再び眠りにつくことができるのです。

 

逆にいうと、睡眠薬は脳の覚醒機能を低下する力が絶大ということです。

実際に睡眠薬が蓄積すると、翌日も二日酔いのような感じが残ったことを覚えています。

睡眠薬によって、当直業務夜中にぐっすり眠れるのであれば、ストレスがかなり軽減できます。

 

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

 

最新の研究で、睡眠薬(この研究ではベンゾダイアゼピン系)の中止によって、以下の症状が長期的に起こることが報告されています(Long-term consequences of benzodiazepine-induced neurological dysfunction: A survey. PLoS One. 2023; 18(6): e0285584)。

・体全体のエネルギー減少
・集中力の低下
・記憶力の低下
・不安
・不眠
・光や音への過敏
・消化不良などの消化管の問題
・筋力低下
・全身の痛み

 

これらの症状が過半数の睡眠薬服用者に、服用をやめた後に一年以上継続するという実態が浮かび上がっています( benzodiazepine withdrawal)。

これらの症状は最低でも1年間以上継続しています。

 


この研究の調査対象となった54.4%の睡眠薬服用者には、自殺企図がありました。

 

私も睡眠薬を中止して十年以上経過していますが、これらの悪影響は残っているかも知れません。

薬剤は、確実に数世代に渡って影響を及ぼします(基礎医学『遺伝子と糖のエネルギー代謝』参照)。

ところが、ほとんどの人は、睡眠薬を止めるとまた不眠になるので、再開する羽目になります。

薬剤も他のストレスと同じく、暴露量が大きくなるほど、その悪影響も多大になります(容量依存性)。

したがって、断薬後もこれらの症状は排出症状と考えて、睡眠薬を再開せずに、そのままにしておきましょう(let it go(^_−)−☆)。


もちろん、睡眠薬の離脱症状を少しでも和らげるには、糖のエネルギー代謝を高めておくことが唯一の基本原理になります(^_−)−☆。

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