みなさんは一度は病院でCT検査を受けたことがあると思いますが、いかがでしょうか?
福島の原発事故のときにも話題になりましたが、1回の胸腹部CTを撮影するだけで、自然被ばく以外の年間被ばく許容量(ICRP「2007年勧告」による公衆被曝の許容量 1mSv)を軽く超えてしまいます。
日本人が病院で受ける医療被曝の平均値が2~4mSvと見積もられていますので、それだけでも年間許容量の2~4倍にあたるということです。
さて、今まで医療被曝も非常に危険であることをお伝えしてきました。
その中でもとりわけCTスキャンや血管造影検査(心臓、脳血管カテーテル検査)の被ばく量は甚大です。
最新の研究で、日本のCTスキャン(computed tomography)の被ばく量は世界でトップレベルであることが報告されました(BMJ. 2019; 364: k4931)。
OMG!
先進国での平均値(1回の検査)は、
・腹部CT 検査 (7.0-25.7 mSv)
・胸部CT検査(1.7-6.4 mSv)
・胸腹部CT検査(10.0-37.9 mSv)
・頭部CT検査(1.4-1.9 mSv)
です。
恐ろしいですね。
1回の検査でもこれだけの被ばく量があります・・・・
そして、何より驚いたのが、日本の被ばく量。
この上限の数値はほとんどが日本なのです!
日本の1回のCT 検査
・腹部CT 検査 (25.7 mSv)
・胸部CT検査(5mSv)
・胸腹部CT検査(37.9 mSv)
・頭部CT検査(1.7mSv)
です。
見比べて頂くと日本が世界のトップのCT被ばく国であることが分かります(^_-)-☆。
血管造影はこれよりもはるかに被ばく量が多いです・・・・
私は、高校時代に大きな事故に遭って、2か月近く個人病院に入院していました。
その時に「頭蓋骨骨折」と診断を受けて、なんと3日置きに頭部CTを撮られていたのを覚えています。入院中に軽く10回以上は撮影していたでしょう(この病院はもちろんその後潰れています・・・・)。
後に、あまりにも入院が長引くので、公立病院にセカンドオピニオンのために受診すると、「頭蓋骨骨折はない」とはっきり脳外科の先生に伝えられました(後にこの病院の脳外科に研修にいくことになったのは奇遇です(^_-)-☆)。
論文では、日本が使用しているCTの機種の問題ではなく、被ばく量の多さはその使い方だとしています。
世界唯一の戦争による原爆被爆国であるにも関わらず、これほど”被ばく”に関して無頓着な国はないのでないでしょうか(^^♪。
世界的にも乳がんと心筋梗塞が急増している背景には、このCTスキャン(胸腹部CT)の普及が関係しているという事実は否めません(^_-)-☆。