何も生産していないシンガポールという人工国家は、ラボ肉の工場が世界で最初に設立された場所です。
昆虫の筋肉細胞を取り出して培養すると、エビ、カニのような風味が出るといいます。
昆虫なら原価もかからず、持続可能・・・・・
という訳にはいきません。
なぜなら、培養細胞というのは、常に栄養を補充して、排出物を洗い流す操作が必要となるからです(膨大な設備費とランニングコスト)。
通常の畜産と比較しても、ラボ肉生産のエネルギー消費は少なくとも2~10倍必要です。
そして、水道水の量も何十倍〜何百倍も必要となります(Review: Analysis of the process and drivers for cellular meat production, Animal. 2019 Dec;13(12):3041-3058)。
ラボ肉は先日もお伝えしたように、まったくエコフレンドリーではないのです(^_−)−☆。
そして、細胞は培養環境によっては、まったく違ったものに変態していきます。
これは環境が運命を決定し、遺伝まで支配していくという「エピジェネティックス」というリアルサイエンスです。
この厳然たる生命の仕組みがあるために、私が当初から幹細胞治療や研究は、遺伝子研究と同じく数十年後には挫折に終わるとお伝えしてきたのです。
私たち人間や人間が作ったAI程度では、この無数にある環境因子(そしてその相互作用)を網羅することは不可能であり、かつ制御することも不可能だからです。
そして、何よりもラボ肉がベジタリアンやビーガンではないという決定的な事実があります。
それは、細胞を成長させるのに、依然として牛の血液を利用していることです。
筋肉細胞が成長するためには、栄養だけでなく各種の成長を促すタンパク質(growth factors) が必要であり、これが牛の血液には豊富に存在しています。
現在のところ、牛の血液の代用物を開発していますが、どれも膨大なコストがかかり、現実化はほぼ不可能といわれています(Will cell-based meat ever be a dinner staple? Nature 588, S64-S67 (2020))。
その他にも、ラボ肉には人工のビタミン、ミネラル、そして抗生物質も添加しなければなりません。
ラボ肉は、エコフレンドリーでもなければ、ベジタリアンでもありません。
その基礎となる思考は、新型コロナ遺伝子ワクチンとまったく同じであることを俯瞰していきましょう(^_−)−☆。