REFERENCE

『果糖中毒を斬る~その2』

本日も10日連続の基礎医学のスタジオ収録でした。

 

 

 

体力の限界との挑戦です・・・(^_^;)

 

 

 

さて、本日もロバート・H・ラスティグ(Robert H. Lustig)さんの主張がどれだけサイエンスの基礎とかけ離れているかをお伝えいたします(*^。^*)。

 

 

ラスティグ氏の主張2

「果糖から尿酸が生まれ、痛風をもたらし、血圧が上がる」

(ラスティグさんの説明) 処理量が3倍になるということは、ブドウ糖だけだったときに比べて、肝臓が代謝のために必要とするエネルギーも3倍になるということだ。こうして、肝臓細胞からアデノシン3リン酸(ATP、細胞内でエネルギーを運ぶ重要な化学物質)が奪われる。ATPが欠乏すると、老廃物である尿酸が生成され、痛風をもたらすとともに、血圧を上昇させる。

 

 

 

⇒果糖から尿酸が生成されるというのはほとんどありません。尿酸を形成するのは核酸(DNAの構成要素)であるプリン体です。

 

痛風は尿酸が高いから発生する病態ではありません。尿酸はあくまでも結果にすぎません。病気の場では、尿酸ができる過程で発生するフリーラジカル(+鉄+プーファ)によって痛風が引き起こされます。

 

健康の場(糖のエネルギ―代謝が回っている)では尿酸ができる過程でもフリーラジカルは発生しないため、痛風は起きません。

 

また尿酸は老廃物ではありません。体内で最も強力な抗酸化作用を持つ物質であり、かつフリーの鉄(プーファと並んで最も危険!)をキレートする作用もあります。

 

血圧を上げる原因は動脈硬化です。動脈硬化の原因は・・・・

 

もうみなさんお分かりですよね(#^.^#)。

(このあたりは『糖尿病は砂糖で治す』および基礎医学DVDで詳述しております)。

 

ラスティグ氏の主張3

「果糖は直接ミトコンドリアに入り、パンクさせる」

(ラスティグさんの説明) 果糖はグリコーゲンの生成過程には入らずに、直接ミトコンドリアに入る。するとアセチルCoA(コエー)が過剰に生成され、それを代謝するミトコンドリアの能力を超えてしまう。

 

 

 

 

⇒果糖は細胞質の解糖系の初段階に入ります。直接ミトコンドリアに入るのは、脂肪、アミノ酸をエネルギ―の燃料にしたとき(病気のパターン)です。

 

 

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アセチルCoAが大量にできるのは、脂肪を燃焼したときです。ブドウ糖(果糖)1分子で2分子のアセチルCoA。脂肪ではパルミチン酸を例にとると8分子のアセチルCoA。

 

脂肪は果糖よりも4倍多くアセチルCoAを産出します。その結果、ATP産生量も脂肪は多いので、脂肪はカロリーが糖やタンパク質より高いのです。

 

また果糖は、グリコーゲン備蓄を促進します。

 

 

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以上です。

 

少し解説が難しいと思います。しかし、これらはすべて基礎医学の基本の知識です。

 

今回取り上げた内容だけでも、おそらく基礎医学を学んでいる生徒さんの方がラスティングさんの主張を聞くと腰を抜かしてしまうでしょう(^○^)。

 

私の基礎医学講座は難しくて大変だったかも知れませんが、再度収録し直してDVDとしてお届けいたしますね。何の知識もなくても、いや何の知識もない方がすんなり基礎医学の基本が入ってくるように作製しております。

 

 

そもそも和訳本のタイトル『果糖中毒』は、原著の題名(『

The Hacking of the American Mind: The Science Behind the Corporate Takeover of Our Bodies and Brains』)とはかけ離れています。出版社の“売りたい”という焦りが感じられますね(#^.^#)。

 

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明日もラスティングさんの主張を検討していきますね(^○^)。

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