『ステロイドとガン』

 

 

今でも現在医学の最終兵器はステロイドです。

 

私が脳外科の大学院時代に、脳腫瘍の増大で頭痛・吐き気で大学の緊急外来に来院された方がおられます。

私は取り急ぎ、脳内の圧力を低下させるために、糖液(グリセロール)を投与していました。

 

しばらくして、指導医が来て、ステロイドを増量して処方していました。

 

 

そのときは、本当に不思議でした。。。。。

 

 

ステロイドは免疫を抑えるので、ガンを産生し、増大させるはずです。

 

 

なぜステロイドがガンで使用されるかというと、ガンの増大によって、ガン細胞周囲に浮腫みをとる(炎症をとる)ために、一時的に脳の腫れが止まるからなのです。

 

 

最新の研究で、ガンの治療にステロイドを使用すると、ガン細胞自然死が激減し、ガンが治療抵抗性になることに注意喚起されまさした(BMC Cancer. 2006 Mar 15;6:61)。

 

 

やはり、一時的に症状をごまかす対処療法は時には必要になるときはあると思いますが(苦痛が病態を悪化させるため)、長期的影響、つまり治癒ゴールからは常用を避けるべきであるというのは、鉄則ですね(#^.^#)。

関連記事

  1. 『水道水フッ素混入の訴訟、リアルサイエンス VS フェイクサイエンス』…

  2. 『「被害者意識」―リアルサイエンスで見た人類史の権力者の特徴』

  3. 『自然界に新型コロナウイルスは存在しない〜再検討シリーズ』

  4. 『最近のアスリートのパフォーマンスが落ちている理由〜俯瞰シリーズ』

  5. 『妊婦は新型コロナ感染で死産が増える???』

  6. 『現代の厳しい環境では「女児」が産まれやすい理由〜リアルサイエンスシリ…

  7. 『CT検査は何回受けると発癌するのか?〜リアルサイエンスシリーズ』

  8. 『新型コロナ経口薬「モルヌピラビル(molnupiravir)」は安全…