『戦火は食卓まで届く』
――石油ショックの次に来るのは、食料ショック――
遠い国の戦争は、自分の暮らしとは別世界の話に見えるかもしれません。しかし実際には、戦火の熱はまずガソリン代に映り、次に肥料代へ燃え移り、最後にはスーパーの値札を焦がします。
ホルムズ海峡はイランによってではなく、ロイズ保険市場のリスク評価によってタンカーが停止しています。その一方で、ウクライナはロシアの石油施設を爆撃し続けています。そして、米国のテキサス州でも石油施設の火災が起きました。これらは偶然で片付けられるでしょうか?

そして、政府の備蓄も実際には数ヶ月しかありません。フランスとイタリアは、インド、トルコ、中国と同じように二国間の通行権をめぐってテヘランと直接交渉中です。背に腹はかえられぬ状況で日本はどうするつもりなのでしょうか?
このままの無策を続くと、私が小学生の時代に体験した「オイルショック」とは比較にならない事態が起こるでしょう。
もし石油が世界経済の血液なら、食料はその血で動く筋肉です。血流が乱れれば、畑も漁船も物流も一斉に息切れし、食卓は静かに細っていきます。[1][2][3]
実際、の関係は単純な一直線ではないものの、農業機械(ディーゼルエンジン)の燃料、輸送、肥料の高騰を通じて、燃料価格の高騰は、食料価格に直結します。「原油が上がったから翌日に全部の食品が同じだけ上がる」というほど単純ではありませんが、エネルギーの高騰が長引けば、農と食のコスト全体がじわじわ締め上げられるのは時間の問題です。

多くの人は「食糧が届かなくなること」ばかりを心配しますが、本当に怖いのは、畑を回すための燃料、収量を支える肥料、収穫後の乾燥、冷蔵、輸送まで含めた「食料を動かすエンジン」そのものが弱ることです。車が走れなくなる前に、まず補給線が止まるように、食料危機もまた、畑ではなくコストの段階から始まります。
さて、誰がこの状況で微笑むのでしょうか?食糧危機では、代替タンパクや培養肉への関心が高まるのは偶然ではありません。2024年には、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)政権下のイスラエルで、培養牛肉の販売承認が公表され、ロイターもこれを「世界初の規制上の節目」と報じました[4][5]。イスラエルには、牛乳、魚、ウナギ、牛肉、豚肉などの培養または実験室で培養された動物性製品に取り組んでいる企業が数十社存在します。エプの親友のゲイツ君もこの分野に多額の投資をしていることは過去記事でお伝えしたとおりです。

「食料を制するものは、世界を制す。」これは、英国のエージェントであり、ロックフェラー財団の重鎮であったヘンリー・キッシンジャー(Henry A. Kissinger)が公開したメモです[6][7]。つまり、権力者たちは、2030年までにエネルギー、食料と次々とカードを切っているのです。
いま起きているのは、単なる中東の軍事ニュースではありません。エネルギー、肥料、物流、食料、人口減少政策までが一本の糸でつながった、「世界システムの再編」です。次に彼らが提供するのが「ユンバーサル・ベーシック・インカム」やAI監視社会です。世界の大混乱が昨年末に出版した本の内容につながってくるのです。


















