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『「妊娠糖尿病」という病名は存在しない~真実の医学と妊娠中の栄養戦略』

『「妊娠糖尿病」という病名は存在しない~真実の医学と妊娠中の栄養戦略』

 

 

妊娠中、母体と胎児にとって糖質(炭水化物)は、生命を支える最も重要なエネルギー源となります。

 

糖質が不足すると、母体と胎児双方に深刻な影響を与えることが知られています。

 

 

・胎児の奇形

・胎児の脳・身体の成長障害

・巨大児出産

・分娩合併症の増加・・・・・・etc

 

参照文献:

Re-examination of the estimated average requirement for carbohydrate intake during pregnancy: Addition of placental glucose consumption
Am J Clin Nutr. 2023 Feb;117(2):227-234.

Maternal Dietary Carbohydrate and Pregnancy Outcomes: Quality over Quantity
Nutrients. 2024 Jul 14;16(14):2269.

Effect of Elevated Ketone Body on Maternal and Infant Outcome of Pregnant Women with Abnormal Glucose Metabolism During Pregnancy
Diabetes Metab Syndr Obes. 2020 Nov 25;13:4581–4588.

 

 

 

こうした背景を踏まえ、妊娠中の女性は無意識のうちに、胎児に糖質を優先的に供給しようとする自然のメカニズムに従っています。

 

 

具体的には、母体はインスリンに対する細胞の感受性を一時的に鈍らせ(インシュリン抵抗性を高める)、血糖値を上げることで、胎盤を通じて胎児に十分な糖質(ブドウ糖)を送ろうとします。

 

 

 

 

この反応は、胎児の健全な成長に必要不可欠な糖質を供給するための、母体による「適応的な」プロセスであると言えるでしょう。

 

 

重要なポイント

妊娠中の自然な調整と、病的な糖尿病(プーファが原因)による高血糖はまったく別物です。
実際には、母体が胎児に必要な糖質を供給しつつ、自らのエネルギー状態も保つために食欲を高めて、膵臓から分泌されるインスリンを増加させる(インスリン産生細胞を増加させる)ことで、適切なバランスを取っています。

 

 

 

 

参照文献:

Placental hormones and the control of maternal metabolism and fetal growth
Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes. 2011 Dec;18(6):409-16.

 

 

 

一方、長期間の糖質制限や断食などの飢餓状態は、脂肪をエネルギー源として使用させることでケトン体が生成されます。これにより、甲状腺ホルモンが低下し、心臓を含む多くの臓器に悪影響を及ぼすことが研究から明らかになっています。

 

 

 

参照文献:

Ketogenic diet and cardiovascular risk – state of the art review
Curr Probl Cardiol. 2024 Mar;49(3):102402.

 

Could the ketogenic diet induce a shift in thyroid function and support a metabolic advantage in healthy participants? A pilot randomized-controlled-crossover trial
PLoS One. 2022 Jun 3;17(6):e0269440.

 

 

 

注意すべきは、 最近流行している「妊娠中の糖質制限」の健康情報の多くは、質の低い単一の疫学調査に基づいている点です。これらの情報は、私たちが自然のメカニズムに目を向けるのを妨げる「赤いニシン(Red herring)」のようなものに過ぎません。

 

 

結論
妊娠中の糖質(炭水化物)は、胎児の健全な発育および母体の健康維持に欠かせません。

 

 

現代では、妊娠中の糖質(炭水化物)摂取不足がむしろ問題になっているのです。

自然のメカニズムを理解し、特に妊娠中は無理な糖質制限を避け、糖質中心のプーファフリーの食事を心がけることが、母体と胎児双方の健康を守る最善の方法です。

 

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