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『細胞の”マーガリン現象”〜リアルサイエンスシリーズ』

 

 

現代医学や生理学などの教科書には、「プーファは膜の流動性を高める」と記載しています。

 

 

 

流動性とは、固形とは反対に液体の流れるような性質を持っていることを示しています。

 

 

しかし、これは実際の私たちの体の中で起こっている現象とは真逆の記述です。

 

 

 

たとえば、プーファ(PUFA)を多く含む赤血球の脂質過酸化中に流動性が低下することが報告されています(Smoking and fluidity of erythrocyte membranes: a high resolution scanning electron and atomic force microscopy investigation. Nitric Oxide. 2013;35:42–46.)(Abnormalities of erythrocyte membrane fluidity, lipid composition, and lipid peroxidation in systemic sclerosis. Arthritis Rheum. 2000;43:894–900.)。

 

 

赤血球の流動性が低下するということは、赤血球細胞が硬くなり、その柔軟な変形する能力がなくなることを意味します。

 

 

 

赤血球の柔軟性がなくなると、微小血管で詰まりやすくなります。

 

 

実際に微小血管が詰まる病態である糖尿病では、赤血球細胞が硬化しています(Lipid composition of cell membranes and its relevance in type 2 diabetes mellitus. Curr Diabetes Rev. 2012;8:390–400.)。

 

 

 

興味深いのは、このように硬くなった細胞では、プーファの量が減少しています。

 

 

 

そして飽和脂肪酸が増加している・・・・・・

 

 

 

一体何が起こっているのでしょうか?

 

 

 

プーファは、体内で容易に酸化されて、飽和脂肪酸の形態に変化します。

 

 

 

これは、液体状の植物油脂(オメガ6系プーファ)に化学的に水素を添加して固形にした「マーガリン」の合成と同じ仕組みになっています。

 

 

わたしたちの細胞に含まれるプーファは、酸化してマーガリン(固体)となっているのです。

 

 

 

さらにその際に大量に発生するアクロレインなどの過酸化脂質が、架橋という作用によってさらに細胞を硬くさせます。

 

 

 

このプーファが酸化して硬くなってマーガリン化した組織を見て、「プーファは流動性を高める」と現代のサイエンスが正反対のことを言っているのです。

 

 

プーファは確かに液体ですが、体温では容易に酸化してむしろ組織を硬化させてしまいます。

 

 

 

 

私たちの体内で起きている生命現象とサイエンスがいかに解離しているかがよく分かる事例だったのではないでしょうか?

 

 

まさに料理油を室温で放置しておくと、次第に固まるのと同じ現象が私たちの体内でも起こっているのです(^_−)−☆。

 

 

 

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