地球温暖化といえば、おそらく日本の多くの方から「肌で感じている」という声をききます。
これが人工的に作られていることはここでは詳しくお伝えしませんが、なぜ温暖化が演出されているのかを冷静に「思考」する必要があります。
さて、ヨーロッパ(EU)では、地球温暖化対策として2050年までに、二酸化炭素排出ゼロ(カーボン・ニュートラル、carbon-neutral)にする、いわゆる4年前に決定された「グリーン・ディール(Green Deal)」政策を推進しています。
「カーボン・ニュートラル」とは、ある活動によって排出される二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスの量を、相殺することで実質的にゼロにすることを指します。
これは、排出した分を削減、再利用、または吸収(例えば、森林(植林)による炭素吸収や炭素捕獲技術など)することで達成されます。
本当にこの地球上(人体を含めた自然)で重要な働きを持つ二酸化炭素の排出の実質ゼロは実現可能なのでしょうか?
最新の研究で、ヨーロッパ内の炭素排出量は削減されるとしても、EU外での炭素排出量が増加することが判明しました。皮肉にも、その増加量は、グリーン・ディールによって削減される炭素排出量の2倍以上になるという結果です(Global spillover effects of the European Green Deal and plausible mitigation options. Nature Sustainability, 2024 DOI: 10.1038/s41893-024-01428-1)。
グリーン・ディールでは、EU内での生物多様性を増やすために30億本の木を植える計画があります。
しかし、これには多くの土地が必要です。木を植えるために食糧生産に使えない土地が増えることで、他の地域、特にアフリカ、アジアや南米で食料生産のために森林が農地に転換されることになります。
結果的に二酸化炭素排出量が増え、生物多様性が減少する可能性が指摘されています。
EUは森林を農地に転換した製品の輸入を禁じる条項を含めていますが、この規制の効果は疑問です。
なぜなら、他の国々が既存の農地でEU向けの製品を生産し、地元向けの生産のために森林を伐採する“抜け道”があるからです。
何かを生産するためには必ず資源が必要です。
その資源を必要としない「グリーン成長」といった“彼ら”の感情・信念(エビデンスや知恵と正反対)は、AI全盛時代の“絵に描いた餅”にすぎません。
もちろん、「二酸化炭素が地球温暖化の原因である」というエビデンスが皆無であることから、この議論自体がまったく無意味であることは自明です(「論を俟たない(ろんをまたない)」)。
仮に「二酸化炭素が地球温暖化の原因である」としても、グリーン・ディール(Green Deal)政策は、地球全体でむしろ二酸化炭素排出量が倍増する“非現実的”な政策であるということです。
それは、各自動車メーカーの電気自動車(EV)離れにも顕著に現れています。
私たちは、全体を見ずに局所の最適だけを追求すると破滅する典型例をグリーン・ディール政策に見ることができます(^_−)−☆。