『本当のベーシック・インカムとは?』
イラン攻撃から4日経過しました。国内の情報発信者やインフルエンサーたちも、随分と化の皮が剥がれてきています。くれぐれも彼らの耳障りのよい言動にのらないようにしておきましょう。真実は人気のあるものにはありません。
イラン攻撃の最新の分析については、ウエルネスラジオのニュースレターで昨日配信しましたので、ご興味のある方は是非お読みなって、SNS、YouTubeなどの偽情報とどれほど乖離しているかを感じて頂ければ幸いです。
さて、前回お話しした「経済の仕組み」の続きです。
前回お伝えしたように、ふつうの会社員がもらう給料だけでは、「世の中に売られている商品やサービス」を十分に買えるほどのお金にはなっていません。

この足りない分を、多くの人は「借金」で補わざるを得ません。ここから、いわゆる「ローン地獄」が始まります。
とくに住宅ローンはその典型です。
ほとんどの人が変動金利でローンを組んでいるため、金利が上がると、ある日突然「もう返済できない」という状況に追い込まれてしまいます。

日本の金利が大きく上昇すれば、日本だけでなくアメリカ経済にも悪影響が出ると言われています。
そのため、トランプ政権は、日本の金利上昇を抑え込むために、高市政権を安定させようと急いだ、という見方もあります。日本で金利が上がり過ぎると、アメリカ経済の悪化に拍車がかかるからです。
では、この構造的な問題を、いったいどうやって解決したらよいのでしょうか。
もっとも直感的な答えは、「給料を上げて、みんながちゃんと商品を買えるようにすればいいじゃないか」というものです。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。給料をそこまで上げると、今度は工場や会社のほうがやっていけなくなるのです。
なぜかというと、工場は原材料費や設備投資、税金など、さまざまな支出を抱えています。
給料だけを大幅に増やせば、運転資金が足りなくなり、工場は銀行から大きな借金をし続けなければなりません。
その状態で、税制の変更や景気の悪化など、少し環境が変わるだけで、余裕のない工場はすぐに立ち行かなくなってしまいます。

では、工場から支払われる賃金の仕組みはそのままにしておきながら、一般の人たちが「借金」に頼らなくても生活できる方法はあるのでしょうか。
ここで登場するのが、「本来あるべきベーシック・インカム」という発想です。
近代の生産活動は、ひとりひとりの努力だけで成り立っているわけではありません。
過去の技術の蓄積、道路や電気・水道といった社会インフラ、学校教育など、数えきれないほどの「みんなの遺産」に支えられています。

だからこそ、その成果の一部を「国民全員への配当」として分け合おう、という考え方が生まれます。
しかもそれを、銀行からの借金ではなく、「新しく作られた国のお金」で行うのです。
そうすれば、社会全体の「お金不足」を、借金ではなく負債のないお金で補うことができます。
これにより、給料だけではどうしても埋まらない「コストと価格のギャップ」を、借金に頼らずに埋められるようになります。
言い換えると、「社会全体の生産力によって生まれた果実の一部は、働いているかどうかに関係なく、すべての人に分配されるべきだ」という発想です。
これは、本来のユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)を支える根本的な考え方でもあります。

ここで重要なのは、お金の出どころです。
お金が「利子を求める民間銀行(実際には世界の支配層が握っている)」から生まれるのではなく、それぞれの国や地域が主体となって発行する必要がある、という点です。
ポイントは、「必要な分だけ発行し、そのお金で実際に役に立つモノやサービスを支えるのであれば、必ずしもインフレ(物価の暴走)にはならない」ということです。
むしろ、銀行が際限なく貸し出しを増やし、借金を返すために企業が値上げを繰り返すほうが、バブルや崩壊を引き起こしやすいのです。
実際の例として、アメリカのアラスカ州には「アラスカ永久基金」という制度があります。
– 州の石油などの資源から出た利益の一部を、大きな基金に貯めておく
– その運用で得られた利益を、毎年、アラスカ州に住む全員に現金で配る
– 一人あたり、だいたい年に1,000〜2,000ドルほど支給される年が多い
これは、完全なUBIとは言えないものの、「資源からの利益を、住民全員で分け合う」という点で、UBIにとても近い仕組みです。

いま国際機関などが進めようとしている「2030年までに導入されるかもしれないUBI」とはまったく違う、もっと健全で、人々の生活を支えるためのUBIの形が、じつは可能なのです。

















