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『六ヶ所再処理工場・放射能汚染が拡大しないことを祈る』

 

 

『六ヶ所再処理工場・放射能汚染が拡大しないことを祈る』

 

⭐️本日発生した地震と施設の状況

 

2025年12月12日午前11時44分、青森県東方沖を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生したという報道がありました。北海道から宮城県にかけて最大震度4を観測し、津波注意報が発表されています。実際に北海道えりも町では20cmの津波が観測され、青森県むつ小川原港でも微弱な津波が確認されたようです。

 

 

 

東北電力によると、東日本大震災以前から運転を停止している青森県の東通原子力発電所では、現時点で異常なしということです。

 

 

 

また、東日本で唯一稼働中の原発である宮城県の女川原子力発電所2号機でも地震による異常は確認されておらず、「通常運転を継続中」だということですが、呑気に原発稼働している場合ではないと思います。

 

 

 

現在、六ヶ所再処理工場については影響確認中とされていますが、わずか4日前の12月8日にも同じ海域でマグニチュード7.6の大地震が発生し、その際には深刻な事態が発生していたことが判明しています。

 

 

 

⭐️公式発表が隠蔽する重大な事実

 

12月8日の地震では、先日お伝えした通り、六ヶ所再処理工場の使用済燃料プールから約650リットルもの放射性物質を含む水が溢れ出ました。日本原燃は「外部への影響なし」「安全上の問題なし」と発表していますが、この言葉の裏に隠された真実を知る必要があります。

 

 

 

公式発表では以下のように説明されています。

 

– 溢れた水は建屋内の床面のみに留まった

– 翌朝までに全量を回収完了

– 床面に汚染は確認されなかった

– 管理区域外への流出はない

 

 

 

しかし、これらの言葉には巧妙なトリックが隠されています。「影響なし」とは「法令基準値を超えていない」という意味であり、「汚染が発生していない」という意味では決してありません。

 

 

 

⭐️ 進行する見えない汚染

 

第一の真実:建屋内汚染は確実に進行している

 

650リットルという大量の放射性物質を含む水が床面に広がったという事実は、極めて深刻です。たとえ表面的に「回収」したとしても、コンクリートの多孔質構造に浸透した放射性物質は除去不可能です。

 

 

 

また床面の微細な隙間に入り込んだ汚染物質は永続的に残留します。作業員は今後、この汚染された環境で作業を続けることになります。このことに関して誰も声をあげていません。

 

 

 

「床面に汚染なし」という発表は、測定機器で検出できるレベルの汚染がないという意味に過ぎません。分子レベル、原子レベルでの汚染は確実に残存しています。

 

 

 

第二の真実:気化による拡散

 

使用済燃料プールの水は高温であり、床面に広がった水は時間とともに蒸発します。これは何を意味するのでしょうか?

 

 

 

放射性物質が気化し、建屋内の空気中に拡散します。これは、換気システムを通じて、微量ながら外部環境にも放出される可能性があります。さらに作業員の呼吸を通じた内部被曝リスクが増大します。

 

 

 

排気筒モニターが「異常値を示していない」ことは、放出がないことを意味しません。測定限界以下の放出は検知されないだけです。

 

 

 

第三の真実:累積するダメージ

 

今回の地震はマグニチュード6.7ですが、注目すべきはわずか4日前にマグニチュード7.6の大地震があったという事実です。連続する地震による累積的なダメージは、公式の安全評価では十分に考慮されていません。

 

 

 

建屋の構造に目に見えない亀裂が入っている可能性があるのです。たとえば、配管やプールの接合部の微細な損傷などです。これらの蓄積しているダメージは、次の地震でより深刻な事態を招くリスクを高めます。

 

 

 

福島第一原発の事故も、当初は「想定外」とされました。しかし、想定外が起きた時には、すでに手遅れなのです。

 

 

⭐️津波による崩壊の可能性について

 

公式見解では「津波の影響を受けない」としています。それは、六ヶ所再処理工場は標高55メートルの高台に位置し、海岸線から約5キロメートル離れているため、「津波の影響を受ける恐れはない」とされています。確かに、通常の津波であれば、この立地条件は有効でしょう。

 

 

しかし、真実はより複雑です

 

2011年の東日本大震災はマグニチュード9.0という「想定外」の規模でした。六ヶ所村の津波想定もマグニチュード9.0~9.1の地震を前提としていますが、それは過去のデータに基づく「想定」に過ぎません。

 

 

放射性物質を扱う施設において「想定外」が起きた時、その代償は計り知れません。

 

 

今回の地震による津波で六ヶ所再処理工場が崩壊する可能性は、現時点では極めて低いでしょう。しかし、「低い」は「ゼロ」ではありません。連続する地震、想定を超える津波、そして既に進行している施設の劣化──これらが重なった時、何が起こるのか、誰も確実には答えられないのです。

 

 

 

⭐️「安全基準」という名の欺瞞

 

現代の放射線医学では、「閾値なし直線(LNT)モデル」という考え方が採用されています。これは科学的に証明された原則で、「どんなに微量の放射線被曝であっても、健康リスクは存在する」というものです。

 

 

 

つまり、「基準値以下だから安全」という主張は、科学的に不正確です。正しくは「法令で許容されるレベルのリスク」というべきなのです。

 

 

 

⭐️二つの世界・生命観の対立

 

現在、私たちは二つの相反する世界観の狭間に立っています:

 

【現行システムの論理】

– 基準値以下なら「安全」

– 測定できないものは「存在しない」

– 経済効率と力関係が最優先

– 問題が起きてから対処すればよい

 

 

 

【真実の視点】

– いかなる放射能汚染もリスクである

– 測定できないレベルでも影響は存在する

– 生命と地球の調和が最優先

– 予防原則に基づいて行動すべき

 

 

 

この対立は、人間社会が始まってから現在に至るまで、人類を二分してきたものです。

 

 

⭐️連続する「小さな事故」の意味

 

今回の溢水は、公式には「小さな事故」として処理されるでしょう。しかし、こうした「小さな事故」が積み重なることで、やがて取り返しのつかない大事故へと発展していくのです。

 

– 完成予定が19回も延期されている施設

– 試運転中に既に内部が汚染されている施設

– 連続する地震でダメージが累積している施設

 

 

 

このような施設を、私たちは本当に「安全」と呼べるのでしょうか。

 

 

 

六ヶ所再処理工場は、日本の核燃料サイクル政策の要とされています。しかし、その施設で今、確実に放射能汚染が進行しています。微量であっても、測定限界以下であっても、汚染は汚染です。

 

 

 

地球は私たちに警告を発しています。連続する地震、溢れ出す放射性物質、繰り返される「想定外」──これらは偶然ではありません。

 

 

 

⭐️真の安全とは

 

真の安全とは、放射性物質を「管理する」ことではありません。そもそも、このような危険な物質に依存しないエネルギーシステムを構築することです。

 

 

 

それに対して、支配層は2030年までにグリーンエネルギーを「名目」にして、原発を中心としたエネルギー産生へと舵を切ろうとしています。

 

 

 

この対立は、今後人類そして地球の運命を決めることになるでしょう。

 

 

 

青森の地震は、危機を脱しているわけではなく、まだ経過を見る必要があります。今回の青森の地震は、わたしたちが真実を知り、意識を変え、行動を変えるための警告と捉えなければなりません。

 

 

 

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