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『オメガ3脂肪酸の隠された真実:消化過程で過酸化脂質が発生!』

『オメガ3脂肪酸の隠された真実:消化過程で過酸化脂質が発生!』

現代栄養学において「健康の救世主」として崇められているオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)について、我々が見落としている重要な真実があります。

 

最新の英語圏学術研究により、オメガ3脂肪酸は摂取され消化される過程ですでに深刻な脂質過酸化反応を起こしているという衝撃的な事実が明らかになっています。

 

これは、オメガ3を推奨する一般健康常識や利害関係者にとって根底から揺るがす発見です。

 

 胃酸の下でオメガ3は酸化する!

スペインのガリシア海洋研究所とラトガース大学の共同研究チームは、動的消化モデルを使用した画期的な実験により、オメガ3脂肪酸が胃の消化過程で確実に脂質過酸化を起こすことを実証しました。

 

この研究は、従来の「オメガ3は抗酸化作用を持つ」という通説を完全に覆すものです。

 

 DHA比率の高い食事で4倍の酸化反応

特に驚くべき発見は、EPA:DHA比率が食事による酸化の程度を劇的に左右することです。実験結果では:

– DHA偏重食(1:2 EPA:DHA比率):60分後に約2倍、120分後には大豆油と比較して約4倍という極めて高い過酸化脂質を生成
– バランス食(1:1 EPA:DHA比率):大豆油と同程度の過酸化脂質を生成
– EPA偏重食(2:1 EPA:DHA比率):中間的な過酸化脂質産生

この結果は、現在市場で推奨されているDHA高配合サプリメントが、実際には胃内で激しい酸化反応を引き起こしている可能性を強く示唆しています。

参考文献
・Relative levels of dietary EPA and DHA impact gastric oxidation and essential fatty acid uptake. J Nutr Biochem. 2017 Dec 10;55:68–75.

 

 腸内でも劇的に過酸化脂質が増える!

2022年に、オランダによる消化モデル研究では、さらに詳細な過酸化脂質の分析が行われました。この研究では、市販のオメガ3サプリメント、青魚(イワシ)、オメガ3強化卵を対象に、消化の各段階での酸化の進行を追跡しました。

 

消化過程での脂質過酸化は、明確な段階的パターンを示します

**胃相(0-120分)**
– 一次酸化産物(過酸化脂質)の急激な増加
– サプリメント種類により異なる増加率を示す(229-630%の範囲)
– この段階では比較的安定な酸化中間体が主体

**腸相(120-210分)**
– 二次酸化産物の爆発的増加
-マロンジアルデヒド(MDA)換算で207-2338%の驚異的増加
– より毒性の高い過酸化脂質(反応性カルボニル化合物)への変換

 

このように特に、オメガ3サプリメントやイワシの消化過程で、腸内で過酸化脂質が劇的に増加することが明確に示されました。

 

 体内で利用できるオメガ3は劇的に低下

そして、この酸化反応によりオメガ3脂肪酸の実際に体内で利用可能な量が劇的に低下することが示されています。研究データによると、消化後の各サンプルのオメガ3の利用可能な指数は

– オメガ3サプリメントA:33.5%
– オメガ3サプリメントB:69.0%
– オメガ3サプリメントC:30.0%
– オメガ3サプリメントD:わずか12.9%
– イワシ:26.6%
– オメガ3強化卵: 0%(完全に利用不可)

 

つまり、摂取したオメガ3脂肪酸の約30-87%が消化過程で酸化により失われ、体内で活用されないということです。

 

オメガ3は酸化せずに体内で利用できるという喧伝は、まったくのデタラメであることであること白日の下に晒されています。

 

参考文献
・Bioaccessibility and Oxidative Stability of Omega-3 Fatty Acids in Supplements, Sardines and Enriched Eggs Studied Using a Static In Vitro Gastrointestinal Model. Molecules. 2022 Jan 9;27(2):415.

 過酸化脂質=毒性アルデヒドの生成:隠された健康リスク

イギリスのローハンプトン大学とスウェーデンのチャルマース工科大学の共同研究では、さらに深刻な問題が明らかになりました。オメガ3脂肪酸(タラの肝油)の消化過程で、3種類の毒性の強いアルデヒドが生成されることが確認されました。

 

消化過程で生成される主要な毒性化合物は以下の通りです

1.マロンジアルデヒド(MDA):プーファ(PUFA)全般の過酸化により生成される酸化の指標
2. 4-ヒドロキシ-trans-2-ヘキセナール(HHE):オメガ3プーファ由来の強力な毒性アルデヒド
3. **4-ヒドロキシ-trans-2-ノネナール(HNE):n-6 プーファ由来の強力な毒性アルデヒド

 

 

特に注目すべきは、ヒトの消化液を使用したモデルでは、ブタ消化液モデルと比較して数十倍から数百倍という異常に高いレベルの毒性アルデヒドが生成されることです:

**十二指腸段階終点での生成量比較**:
– MDA:ヒト60 μM vs ブタ0.36-9.8 μM(6-167倍の差)
– HHE:ヒト0.96 μM vs ブタ0.026-0.16 μM(6-37倍の差)
– HNE:ヒト1.6 μM vs ブタ0.005-0.23 μM(7-320倍の差)

 

この結果は、ヒトの消化システムが他の哺乳動物よりも高度にプーファ(多価不飽和脂肪酸)の酸化を促進する環境を持つことを示唆しています。

胃の酸性環境(pH 1.5-2.0)、体温(37℃)、消化酵素、そして鉄などの金属イオンの存在は、まさにこの酸化反応を促進する理想的な条件を提供しています。

 

 フィッシュオイルの危険

フィッシュオイルのEPA(20:5)とDHA(22:6)は、それぞれ5個と6個の二重結合(不飽和結合)を持つ極めて不安定な分子構造です。

 

この多重不飽和構造は、熱力学的に非常に高いエネルギー状態にあり、わずかな環境変化でも容易に酸化反応を開始します。

 

DHAがもっとも高い脂質過酸化を引き起こす理由として、以下のメカニズムが提案されています:

1. ミトコンドリアカルジオリピンへの選択的取り込み:DHAは優先的にミトコンドリア膜のカルジオリピンに組み込まれ、活性酸素種が大量に発生してミトコンドリア機能が低下します

2. 二重結合数の違い:DHA(6個)がEPA(5個)より多い二重結合により、より多くの酸化開始点を提供

3.立体化学的不安定性:DHAの長鎖構造(22炭素)がより複雑な酸化反応経路を可能にする

 

これらの基礎的なエビデンスは、現在のオメガ3サプリメント市場でDHA高配合製品が主流となっていることに対する根本的な疑問を提起します。

 

 

 

現代の栄養学が見落としていた根本的な問題は、「体内に到達する前にすでに酸化している」という事実です。

我々は健康に良いと信じてオメガ3を摂取していながら、実際には酸化ストレスを増大させる毒性アルデヒドを体内に取り込んでいるということです。

 

本稿で紹介した英語圏の最新研究は、オメガ3脂肪酸が摂取・消化過程ですでに深刻な脂質過酸化反応を起こしているという動かしがたい科学的事実を提示しています。

 

古の医学が示唆していた「腐敗した食品」「古くなった油脂」の回避という教えは、まさにオメガ3のような腐りやすい油のことを示唆しています・

 

オメガ3脂肪酸の「健康神話」を感情や利害によって盲信することなく、消化過程での酸化反応、毒性アルデヒドの生成という基礎的な事実を俯瞰しましょう。それが突破口となって、真実への扉を開くことができます。

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