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『なぜ女性はうつ病になりやすいのか? ― 見落とされた「ホルモン」と「日光」の真実』

なぜ女性はうつ病になりやすいのか?見落とされた「ホルモン」と「日光」の真実

 

 

「女性の方がうつ病になりやすい」――

 

 

 

これは統計的にも確認されている事実です。

 

 

しかし、「なぜそうなるのか?」という根本的な問いには、意外にも説明されていない“真実”があります。

 

■ 英国でも日本でも、若年女性はうつ病リスクが高い

2025年に発表された日英の共同研究では、東京とロンドンの若者を比較。

 

 

 

結果は明確で、女性は男性よりも有意にうつ病の発症率が高いことが確認されました。

 

 

しかも英国の方がよりうつ病の発症率が高いことが分かりました。

 

📌 参考研究

・Trajectories of depressive symptoms among young people in London, UK, and Tokyo, Japan: a longitudinal cross-cohort study. The Lancet Child & Adolescent Health, 2025; 9 (4): 224

 

 

■ 背景にあるホルモン神経伝達物質

女性のうつ病リスクに関与しているとされるのが、エストロゲンとセロトニンの二重の影響です。

 

 

 

エストロゲン:女性ホルモンであるエストロゲンは、セロトニンの合成を促進します。

 

 

 

セロトニン:一般には「幸せホルモン」とされますが、実際には脳を興奮させるストレス物質としての一面も持っています。

 

 

更年期女性のうつ病リスク上昇も、エストロゲン過剰による脳内セロトニン上昇が原因です。

 

📌 参考論文

・Estrogen receptor-β regulates human tryptophan hydroxylase-2 through an estrogen response element in the 5′ untranslated region. J Neurochem. 2013 Sep 18;127(4):487–495.

 

・Estrogen selectively increases tryptophan hydroxylase-2 mRNA expression in distinct subregions of rat midbrain raphe nucleus: association between gene expression and anxiety behavior in the open field. Biol Psychiatry. 2006 Aug 1;60(3):288-95

 

・Effects of Ovarian Steroids and Raloxifene on Proteins that Synthesize, Transport, and Degrade Serotonin in the Raphe Region of Macaques. Neuropsychopharmacology. 2004 Nov;29(11):2035-45.

 

 

■ なぜ英国でうつ病の発症率が高いのか?

日光を浴びると、脳内のセロトニンがメラトニンに変換され、同時にメラトニンがエストロゲンの生成を抑制することが分かっています。

 

 

 

つまり、日照不足=セロトニンとエストロゲンが減らない=脳が過興奮しやすい状態が続く、という悪循環になります。

 

 

 

これが、英国が日本よりもうつ病の発症率が高い原因です。

 

 

現代社会では、日光不足の生活が主体となっています。

例えば、

 

・オフィスや家の人工光ではメラトニン変換が不十分

 

・夜間の光曝露が体内時計を混乱

 

結果的にセロトニン/エストロゲンが過剰になっています。

 

 

このような典型的な現代社会の生活を送っていると、たとえ日光照射量の多い国に住んでいても、うつ病の発症が多くなるでしょう。

 

📌 参考論文

・Circadian regulation of molecular, dietary, and metabolic signaling mechanisms of human breast cancer growth by the nocturnal melatonin signal and the consequences of its disruption by light at night. Journal of Pineal Research. 2011;51:259–269.

 

・Estrogen receptor transactivation in MCF-7 breast cancer cells by melatonin and growth factors. Molecular and Cellular Endocrinology. 1998;141:53–64.

 

・Modulation of estrogen receptor mRNA expression by melatonin in MCF-7 human breast cancer cells. Molecular Endocrinology. 1994;8:1681–1690.

 

 

 

■ 結論:見落とされた「日光」と「ホルモン」の関係

現代医学は「日光はセロトニンを増やす」と教えていますが、本来、**日光はエストロゲンとセロトニンとを減らす脳の“冷却作用(鎮静作用)”**を持っています。

 

 

つまり、日照時間の少ない英国で女性のうつ病が多い理由は、エストロゲンとセロトニンが減らずに脳が常に興奮状態にあるからです。

 

 

 

「日光浴という誰でもできる習慣は、実はうつ病の根本治療である」

 

 

このことは、現代医療の背後にいる業界の「不都合な真実」になっているのです。

 

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