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『フタル酸の驚きの除去方法:茶葉の活用』

フタル酸の驚きの除去方法:茶葉の活用

 

 

昨日、岩手県大船渡市の山火事が拡大しているニュースを見ました。

 

 

 

マウイ、カルフォルニアと同じく、複数カ所で“同時”に火の手が発生しています。

 

 

 

世界各国で”発生する”ということですね。

 

 

 

この”仕組み”については、TUEET(ツイート)ニュースレターで詳しく解説していますので、ご興味のある方はご参照ください。

 

 

 

さて、今やPFAS、塩素化合物や重金属と並んで、私たちの体内に日夜吸収され、蓄積しているプラスチック可塑剤のフタル酸。

 

 

 

このフタル酸を効率的に除去する方法として、なんと私たちの身近にある「茶葉」が活躍します。

 

 

 

葉は表面積が大きく、吸着剤の素材として有用な特性を備えています。

 

 

茶葉を熱湯で淹れたお茶(わたしたちがいつも飲むお茶)が効率よく重金属を除去することが最新の研究でも確認されています。

 

参考文献

・Brewing Clean Water: The Metal-Remediating Benefits of Tea Preparation. ACS Food Science & Technology, 2025; DOI: 10.1021/acsfoodscitech.4c01030

 

 

茶葉の毒物除去メカニズム

茶葉には、カテキン類(特にエピガロカテキン-3-ガレート【EGCG】)、タンニン、ポリフェノール、ヒドロキシル基やカルボキシル基を有する成分が豊富に含まれています。これらの成分と茶葉の多孔質構造とが、有機化合物を吸着します。

 

 

 

このように使用済みの茶葉が重金属だけでなく、フェノール類(医薬品も含まれる)や有機物を効率的に吸着できることが報告されています。

 

参考文献

・Promising Low-Cost Adsorbent from Waste Green Tea Leaves for Phenol Removal in Aqueous Solution. Int J Environ Res Public Health. 2022 May 24;19(11):6396.

 

・Tea polyphenols: extraction techniques and its potency as a nutraceutical. Front. Sustain. Food Syst. , 24 May 2023

 

・Promising Low-Cost Adsorbent from Waste Green Tea Leaves for Phenol Removal in Aqueous Solution. Int J Environ Res Public Health. 2022 May 24;19(11):6396.

 

 

 

茶葉のフタル酸除去効率を直接調べた研究は存在しませんが、構造に同じベンゼン環を持つフェノールを除去できるので、フタル酸も除去できるでしょう。

 

 

 

実際に使用済みの茶葉には、フタル酸が検出されています。

 

参考文献

・Determination of Five Phthalate Esters in Tea and Their Dynamic Characteristics during Black Tea Processing. Foods. 2022 Apr 27;11(9):1266.

 

・Occurrence and Residue Pattern of Phthalate Esters in Fresh Tea Leaves and during Tea Manufacturing and Brewing. J Agric Food Chem 2016 Nov 23;64(46):8909-8917.

 

 

誰でもできる最も安上がりなフタル酸除去方法

私は食事の最後に自然栽培のお米のご飯にお茶をかけて食べるのが習慣になっています。

 

 

 

これもお湯に残存する毒性のある医薬品、フタル酸や重金属類を茶葉が取り除いてくれているので、美味しく感じるのでしょう。

 

 

日本人がこれほど経済的に窮乏し、加工食品だらけを食べさせられている現在でも、米国などと比べて心臓血管疾患やガンが少ないのも、ペットボトルお茶ではなく、ちゃんと茶葉にお湯を入れてお茶を飲む習慣があったおかげかも知れません。

 

 

日常生活で知らず知らずのうちに蓄積していくフタル酸を、手軽に、そして経済的に除去する手段として茶葉を活用することは、実行可能な選択肢と言えるでしょう。

 

 

この身近な素材を活用することで、私たちの健康および環境を守る一助となるのは間違いありません。

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