2月の山の渓谷では氷柱(つらら)が美しい幾何学模様を描いていました。
雪が残る岩場を流れる水。
わたしたちがこの世を去っても、この水は人間が邪魔をしない限り流れ続けます。
しかし、その「水」は決して同じ「水」ではありません。
山で新しく生成した水は、流れて海まで到達し、また新しく生まれた水が流れていきます。
私たちの命もこれと同じく、誕生し、成熟し、新しい生命へとバトンタッチしていきます。
私たちの住む世界は、日々撹乱の渦に飲み込まれています。
しかし、実際は宇宙・自然のこの法則以外になにも存在しません。
今世の思い悩む苦しい人生も、渓谷の水のように流れていき、そしてそれがまた新しい生命へと繋がれていきます。
その苦しい人生も、流れる水と同じように二度と同じ人生が繰り返されることはありません。
その意味で、今世がどの様な人生であっても、それは自然の法則の中では十分な意味を持っているのです。