植物性ミルク:ヘルシー神話の真実〜リアルサイエンスシリーズ〜
現代のスーパーの棚には、大豆、アーモンド、オーツなどの植物性ミルクがずらりと並び、かつて主役だった本物の牛乳はその影を潜めています(大量生産の混ぜ物の牛乳は陳列されています(^_−)−☆)。
これらの植物性ミルクは「ヘルシー」として広く知られていますが、果たしてその実態はどうなのでしょうか?
本物のミルクと比べて、植物性ミルクは本当に健康的なのでしょうか?
植物性ミルクはうつ病のリスク上昇と関連!
最新の研究によれば、本物のミルクと植物性ミルクの摂取がうつ病の発症率に与える影響が報告されています。この研究では、次のような驚くべき結果が明らかになりました:
・大豆やアーモンドを原料とする植物性ミルクを飲む人々は、うつ病を発症するリスクが14%高くなる傾向があります。
一方で、
・植物性ミルクを含め、ミルクを全く飲まない人々と比べ、低脂肪牛乳を飲む人々は、うつ病と不安障害を発症するリスクがそれぞれ12%、10%低くなるとされています。
出典:
・Association of different types of milk with depression and anxiety: a prospective cohort study and Mendelian randomization analysis. Front Nutr. 2024 Dec 5;11:1435435.
この差はどこから生じているのでしょうか?
植物ミルクに含まれる油は危険!
その主な要因は、ミルクに含まれる油の種類にあります。
牛乳は、酸化しない飽和脂肪酸を主成分としていますが、大豆をはじめとする植物性ミルクは、酸化・腐敗しやすい多価不飽和脂肪酸(プーファ)を多く含んでいます。
参考文献:
・How animal milk and plant-based alternatives diverge in terms of fatty acid, amino acid, and mineral composition. npj Sci Food 7, 50 (2023).
・Determination of Commercial Animal and Vegetable Milks’ Lipid Profile and Its Correlation with Cell Viability and Antioxidant Activity on Human Intestinal Caco-2 Cells. Molecules. 2021 Sep 17;26(18):5645.
プーファはセロトニンというストレスホルモンを増加させ、うつ病や不安神経症などのストレス関連の病態を引き起こす可能性があります(リアルサイエンス基礎医学参照)。
植物ミルクは超加工品!
考えてみれば、植物がミルクになるのは不自然なことであり、製造過程でかなりの人工的な加工が施されています。この加工により不純物が加わることが懸念されます。
栄養面においても、植物性ミルクは牛乳に及ばないということを私たちの過去の記事でお伝えしましたが、特に油の違いが長期的な健康に与える影響について注意を払う必要があります。
健康的な選択をするために、私たちは「トレンド」や「イメージ」に惑わされることなく、確固たるエビデンスに基づいて判断する必要があります。
植物性ミルクの台頭は、現代の健康志向を象徴する現象かもしれません。しかし、その選択が本当に健康的なのか、今一度立ち止まって考える時が来ているのではないでしょうか。
本当に健康を意識するなら、植物性ミルクの「ヘルシー神話」を再考する時かもしれません。