「糖化」という言葉を聞くと、多くの人は「糖が悪さをして体を劣化させる」とイメージします。
しかし、それは大きな誤解です。実は、“犯人”は糖ではなく、 「酸化しやすい油」 (PUFA:多価不飽和脂肪酸)なのです。
糖化ではなく「脂質過酸化」こそが真犯人
動脈硬化を例に考えてみましょう。
動脈硬化の真の原因は、「動脈壁のタンパク質やレスキュー部隊のLDLコレステロールが過酸化脂質と結合して変性する」ことにあります。
過酸化脂質は、酸化しやすいPUFAが原因で発生する発がん物質であり、アクロレインやマロンダイアルデヒド(MDA)がその代表例です。
LDLコレステロールは「悪玉」か?
炎症が起きると、修復のためにコレステロールが動員されます。それが「LDLコレステロール」です。
ところが現代医学や健康常識では、これを「悪玉コレステロール」と罵倒しています。
しかし、驚くべき事実があります。
LDLコレステロールは、ビタミンDやプロゲステロンといった抗ストレス物質に変換され、炎症を鎮める働きがあるのです。
真の火種はPUFAにあり
問題は、現代人の食生活にPUFAが過剰に含まれていることです。
このPUFAがLDLコレステロールにくっつくと、簡単に酸化して過酸化脂質が形成されます。
過酸化脂質は、炎症を引き起こす「動脈硬化の火種(ALEs)」となるのです。
(LDLコレステロールは脂質タンパク質であり、これに過酸化脂質が結合してALE化する)
「火事」と「放火魔」と「消防隊」のたとえ
この現象を火事の現場に例えてみましょう:
- 放火魔:PUFA(過酸化脂質)
- 火事:動脈硬化
- 消防隊:LDLコレステロール
現代医学は、火事の現場に駆けつけた消防隊(LDLコレステロール)を見て、「こいつが放火犯だ!」と決めつけているのです。
なぜなら、いつも火事の現場には、消防隊がいるからです(動脈硬化の現場にLDLコレステロールが存在)。
本当の放火魔(PUFA)はすでに姿を消している(過酸化脂質に変身)にもかかわらず、です。
AGEsとALEsの誤解
同様に、動脈硬化の現場にはALEsが形成される過程で結果的にできる「AGEs(終末糖化産物)」も少し混在しています。
しかし、これもまた脂質過酸化反応の付随現象、つまり結果に過ぎません。
真の犯人は「ALEs(終末脂質過酸化産物)」です。
火事の現場に集まった「野次馬(AGEs)」を見て、現代医学や一般健康ポップカルチャーは「こいつが放火犯だ!」と誤解してしまっているのです。
結論:「糖化=悪」というナンセンス
「糖化」や「糖は悪」という考え方は、原因と結果を履き違えたナンセンスな主張です。
たとえば、糖尿病はプーファ過剰が原因で、血液中の糖が細胞で利用できない病態です。
そのため、結果的に高血糖になっています。
ここでも真犯人は「プーファ」ですが、結果の高血糖だけに注目して、「糖が悪い」という主張に終始しています。
(高血糖は消防隊と同じ結果に過ぎない)
本当に目を向けるべきは、私たちの食生活に潜む「PUFA過剰」なのです。
以上から、「糖化」というネーミングが混乱を招いています。
私たちの病態で起きていることは、糖化ではなく、むしろ「脂質過酸化」です。
したがって、AGEsおよびALEsの両方をまとめて「終末脂質過酸化産物(ALEs)」と呼称するのが実態にあっています。
「糖化」という言葉に惑わされず、真実を見抜きましょう。
プーファの「脂質過酸化」こそが、私たちの体を蝕む真犯人なのです。