最近の一般健康ポップカルチャー、特にスポーツ領域でよく「テストステロン低下」という文章を見かけるようになりました。
昨日も「ストステロンの分泌量が低い人に見られる、身体的な特徴」という記事が掲載されているのを目にしました(『男性ホルモン「テストステロン」が低い人に見られる特徴とは。こんな症状は低下のサイン!』MELOS -メロス、2024年10月13日)。
その内容の一部を転載いたします。
(転載開始)
テストステロンの分泌量が低下すると、以下のような身体的な変化が見られることがあります。
・筋力の低下: テストステロンは筋肉の成長と維持に重要なホルモンです。そのため、テストステロンが低下すると筋肉量が減少し、筋力が弱まることがあります。
・体脂肪の増加: テストステロンが低下すると、代謝が低下し、とくに腹部に脂肪がつきやすくなることが報告されています。
・骨密度の低下: テストステロンは骨の健康にも関与しており、低下することで骨密度が減少し、骨折のリスクが高まる可能性があります。
また、テストステロンは性的健康においても重要な役割を果たしており、低下により以下のような影響を及ぼすことがあります。
・性欲の減退: テストステロンは性欲を維持するために重要なホルモン。低下すると性欲が減退することがあります。
・勃起不全: テストステロンは勃起機能にも関与しており、低下することで勃起不全のリスクが高まることがあります。
テストステロンが低い人に見られる、精神的な特徴
テストステロンが低下すると、メンタル面でも影響が現れることがあります。
・エネルギー不足と疲労感: テストステロンの低下は、全体的なエネルギーレベルの低下や慢性的な疲労感を引き起こすことがあります。
・気分の変動と抑うつ: テストステロンの低下は、気分の不安定さや抑うつ感の原因となることがあります。これは、ホルモンバランスの変化が脳内の神経伝達物質に影響を与えるためとされています。
・集中力の低下: テストステロンが低いと、集中力や記憶力が低下しやすくなることが報告されています。
(転載終了)
この特徴は、昔は高齢者に特徴的でしたが、現代では若者にもみられるものです。
そして何より、「甲状腺機能低下症」と同じ症状であることに気づかれた人もおられるのではないでしょうか?
テストステロンは、コレステロールが原材料になります。
コレステロールからテストステロンを産生するには、甲状腺ホルモンが必要になってきます。
つまり、甲状腺機能低下症では、テストステロンが低値になるのです。
また、コレステロール合成を低下させるような医薬品(スタチン製剤)を服用している人には、上記と同じ状態がもたらされます。
さらに、プーファ過剰(特にオメガ3)やストレス過多では、テストステロンがせっかく合成されても、それがエストロゲンに転換されるために、テストステロンが低下します。
ちなみに、プーファ摂取やストレス過剰によっても、エストロゲンに変換されないDHTというテストステロンよりも作用が強いステロイドホルモンがあります。
さて、乳製品はテストステロン合成を高めるには最適の食品です。
ロシアの動物実験による研究で、乳製品に含まれるラクトフェリンは、テストステロン合成を200%アップさせることが報告されています([Experimental study of the influence of recombinant human lactoferrin on the levels of androgens and basic parameters of lipid and protein metabolism]. Biomed Khim. 2016 Jul;62(5):566-571.)。
ラクトフェリンは、フリーの鉄を回収して、鉄とプーファによる脂質過酸化反応による炎症を抑えるからです。
テストステロンをキープするには、甲状腺を元気にしておくことが肝要です。そして、プーファフリーにし、コレステロールの材料となる栄養素(卵、全脂肪の乳製品など)をしっかりと摂取することをお勧めします😃。