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『ご自宅の洗浄剤の選び方〜リアルサイエンスシリーズ』

 

 

ポスト総ワクチン時代では、外食に行くとテーブルに消毒液を大量に振りかけるため、レストラン内にケミカルな臭いが充満しています。

 

次第と外食から遠ざかっていますが・・・・・

 

 

そもそもインフレのため、外食そのものが高価になっている現在、ますます足が遠のいています(日本の場合は、インボイス制度導入で個人経営のレストランや喫茶店はやっていけないでしょう)。

 

 

みなさんのご自宅にも、複数の洗浄剤(cleaning product)があると思います。

 

床拭き、トイレ掃除、皿洗い、漂白剤や消毒剤用など多数の洗浄剤が販売されています。

 

 

これらの洗浄剤を使用したときに、みなさんがケミカルな臭いを感じたときは、赤信号です。

 

この臭いは、揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる発ガン性など多くの健康被害を引き起こす物質が部屋に充満することで起こるからです。

 

過去の研究では、日常的に洗浄剤に暴露している清掃の仕事に携わる人には、喘息や閉塞性肺疾患だけでなく、肺がんや心臓血管疾患による死亡リスクが上昇することが報告されています(Professional cleaning activities and lung cancer risk among women: results from the ICARE study. J. Occup. Environ. Med., 58 (6) (2016), pp. 610-616)(Health risks in the cleaning industry: a Belgian census-linked mortality study (1991-2011). Int. Arch. Occup. Environ. Health, 91 (1) (2018), pp. 13-21)。

 

最新の研究では、これらの揮発性有毒物質(VOC)と糖尿病やうつ病発症のリスクとの関連も報告されるようになっています(Exposure to volatile organic compounds is a risk factor for diabetes: A cross-sectional study. Chemosphere. 2023 Oct;338:139424)(Association of volatile organic compounds exposure with the risk of depression in U.S. adults: a cross‑sectional study from NHANES 2013-2016. Int Arch Occup Environ Health. 2023 Oct;96(8):1101-1111.)。

 

これらの洗浄剤の中には、“環境に優しい”と書かれている、いわゆるエコ商品があります。

 

 

最新の研究で、30個の市販されている洗浄剤の揮発性有機化合物(VOC)を調べた結果が報告されています(Volatile organic compounds emitted by conventional and “green” cleaning products in the U.S. market. Chemosphere 341 (2023) 139570)。

 

30個の内訳は、17個が通常の香りつきの洗浄剤、 9つが香りつきのエコ商品、7つが香りのないエコ商品でした。

 

 

その結果、530種類の揮発性有機化合物(VOC)が検出されました。そのうちの193種類は、人体に有害とされているものでした。

 

 

香りつきのエコ商品は、通常の香りつきの洗浄剤よりも平均して半分の揮発性有機化合物(VOC)放出量でした。

 

香りのないエコ商品は、通常の香りつきの洗浄剤よりも1/8、そして香りつきのエコ商品よりも1/4少ない揮発性有機化合物(VOC)放出量でした。

 

 

人体に有害とされている揮発性有機化合物(VOC)については、香りのないエコ商品は4種類の検出にとどまった一方で、香りつきのエコ商品は15種類、通常の香りつきの洗浄剤は22種類ありました。

 

 

以上から、市販されている洗浄剤を選ぶとしたら、香りのないエコ商品が比較的被害が少ないといえそうです。

 

しかし、香りのないエコ商品でも4種類も有害な揮発性有機化合物(VOC)が発生しています。

 

洗浄剤の使用を最小限にして、毎日こまめに掃除することが心身の健康に良さそうです(^_−)−☆。

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