『現代医学でも窮地に立った糖質制限〜リアルサイエンスシリーズ』

 

糖質制限を主張する医師たちは、いまでも必死でエビデンスではなく、“自分”だけを擁護しています。

 

 

先日も、日本の糖質制限ニストの記事を読み、その姑息さに驚愕しました。

 

 

その記事では、エビデンスといいながら、因果関係が証明できない疫学的調査を細かく分析して、「糖質制限は長期的にも安全が確定」と断言しています。

 

 

疫学的調査では、「因果関係」は言えない研究なので、間違っても「確定」という言葉は使用できません。つまり、この記事はエビデンスではなく、信念やドグマに基づいていることになります。

 

学問の基礎ができていないこと露呈する記事でしたが、よほど自分たちの立場が危うい(指導された患者さんの方が危うくなっている(^_−)−☆)という“焦燥感”の裏返しでしょう。

 

 

本来の学問は、自分の立場やその信念を守るためのものではなく、自然現象をシンプルに解明するものです。

 

この記事については、いつか詳しく取り上げます。

 

 

さて、今回は糖質制限の基礎から考えてみましょう。

 

 

みなさんが、糖質制限をしたとします。そうすれば、必然的に血糖値が下がりますね。

 

 

私たちにとって血糖値が低下することが最大のリスクです。

 

なぜなら、脳や赤血球は事実上、血糖しかエネルギー源として利用できないからです。

 

 

したがって、糖質制限による血糖値低下という急性のストレスに対しては、血糖値を上げるべくアドレナリン(ノルアドレナリン)、コルチゾール、副甲状腺ホルモンなどの血糖値を高めるストレスホルモンが慢性的に分泌されることになります。

 

これらのストレスホルモンは、いったいどこから糖質を持ってくるのでしょうか?

 

 

それは、みなさんの体の脂肪と筋肉を分解して糖分を調達してくるのです。

 

 

みなさんの脂肪が分解されると、血液中にはプーファが溢れ出てきます。現代人の脂肪は、飽和脂肪酸ではなく、プーファが主体になっています。

 

この糖質制限によって血液中に放出されるプーファによって、糖尿病、肥満、心臓血管疾患などのメタボリック・シンドロームやガンが引き起こされることは複数のエビデンスが証明しています(Plasma Free Fatty Acid Concentration as a Modifiable Risk Factor for Metabolic Disease. Nutrients. 2021 Aug; 13(8): 2590)( Free Fatty Acids: Circulating Contributors of Metabolic Syndrome. Cardiovasc Hematol Agents Med Chem 2018;16(1):20-34)( Free Fatty Acids Rewire Cancer Metabolism in Obesity-Associated Breast Cancer via Estrogen Receptor and mTOR Signaling. Cancer Res. 2019 May 15;79(10):2494-2510)( The role of free-fatty acid receptor-4 (FFA4) in human cancers and cancer cell lines. Biochem Pharmacol. 2018 Apr;150:170-180)( A high serum-free fatty acid level is associated with cancer. J Cancer Res Clin Oncol. 2020 Mar;146(3):705-710)( Serum Free Fatty Acids and G-Coupled Protein Receptors Are Associated With the Prognosis of Epithelial Ovarian Cancer.. Front Oncol. 2022 Jun 17;12:777367.)

 

筋肉が分解されると、みなさんの基礎代謝(糖のエネルギー代謝、甲状腺機能)が低下します(筋肉のタンパク質を構成するアミノ酸は、甲状腺機能を低下させる)。

 

 

さらに慢性的に分泌されているコルチゾールによって、むしろ全身の炎症が加速することは、繰り返しお伝えしていることです(Glucocorticoid-Driven NLRP3 Inflammasome Activation in Hippocampal Microglia Mediates Chronic Stress-Induced Depressive-Like Behaviors. Front Mol Neurosci. 2019; 12: 210)( Glucocorticoid therapy increases COX-2 gene expression in nasal polyps in vivo. Eur Respir J. 2009 Mar;33(3):502-8)(A mixed anti-inflammatory and pro-inflammatory response associated with a high dose of corticosteroids. Curr Mol Med. 2014;14(6):793-801)。

 

 

また糖質制限によるコルチゾールの慢性分泌によって長期的にもお腹まわりに脂肪がつく、中心性肥満になることは、現代医学の教科書レベルでも記述されていることです(Preoperative Serum Cortisol Level Is Predictive of Weight Loss After Laparoscopic Sleeve Gastrectomy in Men with Severe Obesity but Not Women.  Obes Surg. 2023 Mar;33(3):851-859)(Stress, cortisol, and obesity: a role for cortisol responsiveness in identifying individuals prone to obesity. Domest Anim Endocrinol. 2016 Jul;56 Suppl:S112-20)(Obesity and cortisol. Nutrition. 2000 Oct;16(10):924-36)。

 

これは、糖質制限による早期死亡率の上昇の一部を表しているにすぎません。

 

 

糖質制限を行うということは、必然的に炭水化物以外のものを増やすことになります。

 

 

脂肪の量を増やした糖質制限をケトン食といいます。

ケトン食の危険性はこれまでも複数のエビデンスをご紹介してきましたが、最新の研究でも腎臓の機能不全をもたらすことが明らかにされています(Is Losing Weight Worth Losing Your Kidney: Keto Diet Resulting in Renal Failure. Cureus. 2023 Mar 22;15(3):e36546)。

 

先日の米国で開催された循環器学会(ACC2023)でも、ケトン食が脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めることが報告されたばかりです(Association of a Low-carbohydrate High-fat (Ketogenic) Diet With Plasma Lipid Levels and Cardiovascular Risk in a Population-based Cohort. Presented at the ACC.23 by: Iulia Iatan, MD, PhD -Vancouver, Canada)。これもいずれ論文となって公表されるでしょう。

 

 

それでは、糖質制限して、脂肪も減らして、高タンパク質にしたらどうでしょうか?

 

 

現代医学は、高タンパク質食の代表とされる赤肉などの過剰摂取は、癌の発生を高めると長年主張してきました。

 

これには、植物性タンパク質を推奨するという♨️権力者の思惑がありますが、リアルサイエンスの観点でも問題があります。

 

 

その前に、植物性タンパク質は、そもそも吸収が悪いため、高タンパク食にはなり得ません。したがって、人工合成の大豆タンパク質のような危険なパウダーものしか摂取源がなくなります。

 

その赤肉や魚に代表される肉類は、私たちの筋肉と同じアミノ酸成分です。したがって、過剰摂取すると基礎代謝が低下するのです。

 

さらには毒性の強いアンモニアが大量発生します。

 

アンモニアの大量発生は、現代人のすでに弱っている肝臓に強い負担をかけます。

 

そして、特に50-65歳の初老期では、この高タンパク食は、あらゆる病態による死亡率を高めます(The impact of dietary protein intake on longevity and metabolic health. EBioMedicine. 2019 May; 43: 632–640)。

 

世界的にも長寿食として有名になった沖縄食(Okinawan diet)では、炭水化物が85%を占め、タンパク質はたったの9%です(New horizons: dietary protein, ageing and the Okinawan ratio. Age Ageing. 2016;45(4):443–447)。

 

以上から、糖質制限において、脂肪を増やしても(ケトン食)、タンパク質を増やしても(高タンパク質)、長期的に悪影響が出ることを複数のエビデンスが示しています。

 

 

最後に、糖質制限ニストたちが主張する短期的なメリットは、メリットではなく、病態の進行を見ているだけです。

 

 

みなさんの脂肪に蓄積している危険なプーファが放出されたり、筋肉が分解されたりしているという危険な状態を「体重が減少した」「血糖値が低下した」と短期的なメリットとして誤解しているだけです(群盲象を評す)。

 

口角泡を飛ばして糖質制限を唱えるヒトがいたら、「糖質制限で血糖値が下がったあと、体はその後どうなるの?」と質問するだけで良いです。

 

 

糖質制限は、短期的にも長期的にも悪影響が出る最悪の選択であることをリアルサイエンスは明確に指し示しています(^_−)−☆。

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