「慢性病は腸から」という内容の本と数年前に出版しました(『慢性病は現代食から』)。
少し内容が難しかったと思いますが、要点は現代ではリーキーガット症候群やSIBOと呼ばれる腸の問題が深刻なことです。
いずれも最終的に腸内のバクテリアの内毒素(エンドトキシン)が血液内に入ることで、胃炎、アレルギー、糖尿病、肥満、肝硬変、関節リウマチ、多発性硬化症、うつ病、自閉症やアツルハイマー病などあらゆる慢性病を引き起こすことです。
これらの慢性病を引き起こす腸の問題を作る原因が、意外なところにありました。
最新の研究で、食器に付着した食器洗剤が、腸の粘膜を破壊してリーキーガットを起こし、あらゆる慢性病の原因になっていることが示されています(Gut epithelial barrier damage caused by dishwasher detergents and rinse aids. J Allergy Clin Immunol. 2023 Feb;151(2):469-484)。
欧米では食器を自動洗浄機で洗うところが多く、その場合食器に洗剤が十分洗い落とせずに残存しています。日本でもホテルのレストランなどでは、自動洗浄機を使用しているところがあります。
この実験で特定された洗剤の原因物質は、「アルコール・エトキシレート(alcohol ethoxylate)」という界面活性剤です。
実験では、この界面活性剤を2万倍に薄めて、腸粘膜上皮細胞に投与したところ、炎症が起き、細胞が死滅していきました。
「アルコール・エトキシレート(alcohol ethoxylate)」は、アフリカ爪がエルの初期胚(胎芽)オタマジャクシに投与するとミトコンドリアにダメージを与えて、奇形を発生させることが分かっています(Teratogenic and toxic effects of alcohol ethoxylate and alcohol ethoxy sulfate surfactants on Xenopus laevis embryos and tadpoles. Ecotoxicol Environ Saf. 2001 Feb;48(2):170-7)。
もちろん、食器洗剤には、この界面活性剤以外にも人工芳香剤や人工着色料などの毒性物質も添加していますので、相乗効果があるでしょう。
意外なところにリーキーガットの落とし穴がありました。
人工合成洗剤が揮発した臭いだけでも気分が悪くなることがすべてを物語っています。
わたしは、食器を洗うのも、単純な石鹸ベースのものを使っています(^_−)−☆。