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『「フルクトース悪玉説」を再び斬る:食べ物と人工合成物の違い』

 

マルチビタミン・ミネラルのような化学人工合成物とフルーツやミルクなどに存在するビタミン、ミネラルとは、その生理作用が本質的に違います(その詳しい機序はニュースレターでお届けする予定です)。

 

 

この本質を理解すると、現在栄養療法なる看板を掲げているエストロジェニックな人たち(すぐにキレる、俯瞰できない)でさえ、人工合成したマルチビタミンやミネラルだけを単独で摂取するデメリットに気づくはずです。

 

 

さて、欧米では糖悪玉説を声高に唱えられなくなった現在、ショ糖の構成成分であるフルクトース(果糖)にターゲットを移して、「フルクトース悪玉説」を流布する方針に切り替えました(拙著『自然治癒はハチミツから』参照)。

 

 

その急先鋒が小児の内分泌学なる専門のロバート・H・ラスティグ(Robert H. Lustig)です。彼の本の邦題が『果糖中毒』という“洒落た(笑)”ものでした。

 

 

 

みなさんも「果糖(フルクトース)が悪い」という研究を調べてみましょう。

 

 

それらが、モンサント/バイエルのGMコーンから複雑な化学工程を得て合成された、「ぶどう糖果糖液糖(HFCS,ハイフルクトースコーンシロップ)」であることを知ることになるでしょう。

 

 

 

果物、ショ糖やハチミツに豊富に含まれている果糖、つまり食材に含まれている果糖とぶどう糖果糖液糖(HFCS)の果糖は同じではありません。

 

 

これは合成ビタミンと食物に入っているビタミンの生理作用がまったく異なるのと同じです(これを躍起になって否定している論文は、バイアスの多い疫学的調査であって、バイアスの少ない動物実験では、生理作用が全く異なる結果が出ている)。

 

 

最新の臨床研究で、果物などに入っている果糖とぶどう糖果糖液糖(HFCS)の果糖はまったく正反対の作用を示したことが明らかにされました(Fructose consumption from different food sources and cardiometabolic biomarkers: cross-sectional associations in US men and women. The American Journal of Clinical Nutrition,Available online 13 January 2023, https://doi.org/10.1016/j.ajcnut.2023.01.006)。

 

 

具体的には、ぶどう糖果糖液糖(HFCS)からの果糖摂取では、炎症性物質(CRP,IL-6,レプチンなど)が上昇したのに対し、フルーツからの果糖摂取では逆に炎症性物質が低下したという結果でした。

 

 

さらに中性脂肪もぶどう糖果糖液糖(HFCS)からの果糖摂取では上昇しましたが、フルーツからの果糖摂取では低下しています。ただし、中性脂肪は遊離脂肪酸(血液中のフリーのプーファ)よりは安全です。

 

 

今回の研究での果糖とぶどう糖果糖液糖(HFCS)摂取は、いわゆる「ソフトドリンク」からの摂取です。

 

これは臨床試験であって、疫学的なバイアスがつきものですが、動物実験や細胞実験などの基礎的な実験では、よりその違いが明らかになるでしょう。

 

 

食べ物にある栄養素とそれを人工的に合成して単独で摂取した場合、私たちの体はまったく違う反応をするという基本的な仕組みは、自然現象の一部です。

 

 

サプリや人工合成物を擁護する人たちは、食べ物の汚染を強調しますが、決してサプリや人工合成物にも存在する汚染のことはハイライトしません。

 

食べ物に汚染があるから人工合成物という物質時代の遅れた発想ではなく、汚染のより少ない食べ物を選択するのが自然の理に叶っているのです (^_−)−☆。

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