「テフロン」の商品名で知られるフッ素樹脂のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でコーティングされたフライパンは、表面の摩擦が小さく焦げ付きにくいので、料理で重宝されています。
1950年代以降、これらのフッ素化合物は、調理器具や防水製品のコーティング材として使用されてきました。
実に70年以上の歴史になります。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、過去記事でお伝えした環境中で分解されない「永遠の環境汚染物質」と呼ばれている「パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)」という物質です。
これらの物質が甲状腺機能、つまり糖のエネルギー代謝を低下させて、奇形や発癌をもたらすことは、映画『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』でも周知されることになりました。
テフロン加工のプライパンを料理に近い環境にして、フライ返しがコーティングにダメージを与えた際にどのような影響が現れるのかを調べる最新の研究結果が発表されています(Sci Total Environ. 2022 Dec 10;851(Pt 2):158293)。
その結果、コーティング表面に小さな傷がついただけで30秒間に9100個のポリテトラフルオロエチレンのマイクロおよびナノプラスチック粒子が料理に混入しました。
また、コーティングが損傷した場合は、230万個ものプラスチック粒子が放出されることが確認されました。
過去記事では、70℃のお湯で滅菌して調乳した場合に、ポリプロピレン製の哺乳瓶から1リットル当たり1620万個のマイクロプラスチックが放出されることをお伝えしました(Microplastic release from the degradation of polypropylene feeding bottles during infant formula preparation. Nat Food 1, 746–754 (2020))。
高密度ポリエチレン(HDPE)グレードのプラスチックフィルムで内側がコーティングされている紙コップに85~90度の熱湯を100ミリリットル注ぎ、15分間放置すると、マイクロプラスチック粒子が約2万5000個流出することも報告されています(Microplastics and other harmful substances released from disposable paper cups into hot water. J Hazard Mater. 2021 Feb 15;404(Pt B):124118)。
これらのフッ素加工のマイクロ&ナノプラスチック粒子は、体内で炎症を引き起こし、プーファの脂質過酸化反応によって全身の臓器にダメージを与えます(Impact of Microplastics and Nanoplastics on Human Health. Nanomaterials (Basel). 2021 Feb; 11(2): 496)(Micro- and nanoplastic induced cellular toxicity in mammals: A review. Sci Total Environ. 2021 Feb 10;755(Pt 2):142518)。
これでは、いくら料理の素材が良くても、健康になれるわけがありません。
このテフロン加工のフライパンに植物油脂の油を引いて料理すれば・・・・・・
最悪の事態を招くことになります。
テフロンなどのフッ素樹脂によるコーティングが施された調理器具にはくれぐれもご留意ください(^_−)−☆。