血液データだけを見て(それも解釈が間違っていますが(^_−)−☆)、鉄剤を投与する医師や代替治療家たちが現代社会では圧倒的多数です。
現代医学を批判しているドクターでも、現代医学と同じ思想で治療を行なっているのですから、救いがありません。
鉄は、拙著や過去記事でも再三お伝えしているとおり、シミ、感染症、ガン、心臓血管疾患、糖尿病、アルツハイマーなどの認知症などの急性および慢性疾患の原因物質です。
さて、その鉄に関して最新の研究において、たとえ血液検査で正常値であっても、プーファ過剰の現代人にとっては、心不全の原因になることが報告されました(Intramyocardial hemorrhage drives fatty degeneration of infarcted myocardium. Nat Commun. 2022 Oct 27;13(1):6394)。
この研究では、心筋梗塞で心臓を養う血管(冠動脈)が詰まったあと、血管を再開通した後でも約50%が心不全に陥る原因を調べています。
脳でも心臓でも、一度詰まった血管に血流が再開通すると、その部位に出血してダメージを及ぼすことがあります。
これを専門用語では、「再灌流障害(reperfusion injury)」といいます。
心筋梗塞に陥った心筋細胞は、この再灌流障害によって出血します(intramyocardial hemorrhage)。
現代人はプーファ過剰であり、心筋梗塞に陥った心筋細胞の大部分にプーファが蓄積していきます。
出血した部位には、赤血球から鉄が放出され、プーファと反応してアルデヒド(過酸化脂質)を形成します。
この過酸化脂質や鉄の結合体がシミの原因となる「リポファッシン」と呼ばれる炎症複合体です。
心臓の心筋梗塞に陥った心筋細胞に、たくさんのシミ(リポファッシン)ができ、それが炎症を引き起こすため、心臓のポンプ機能が低下していくのです。つまり、心不全です(リポファッシンを貪食した食細胞自体が死滅してゴミとして堆積していく)。
これは、拙著『オメガ3神話の真実』でも詳述した動脈硬化の形成と全く同じことが心臓にも起こるということです(もちろん他の臓器にも起こります)。
この心筋梗塞後の心不全を防ぐために、鉄のキレート剤を使用する臨床実験が開始されるようです。
プーファと鉄はいわば2個一の関係です。
プーファ過剰の現代社会では、鉄は正常値であっても危険な因子になることを今回の研究が示しています。
ましてや鉄剤の投与などは、“もってのほか”にあたるのです(^_−)−☆。