現代社会の若者は、無気力であることがよく言われています。
もちろん、きちんとゴール設定し、逆算して物事を成し遂げられるタイプの人も存在しています。
しかし、私の若いときを思い出しても、目標を失って生きる意義を見出せなくなり、絶望感にとらわれることがよくありました(若者が無気力なのは、人類社会が極めて人工的になった1,000年くらいの間は、ずっと起こっていることではないかと思いますが、それがここ100年の間に急増している)。
そのような時には、ドストエフスキーの『罪と罰』を繰り返し読んだ記憶があります。
この本は、主人公ラスコリーニコフの殺人の言い訳に体現されているように人類社会の不条理を説いたものです。
しばらくして、この理論は一種の“逃げ(現実逃避)”であると判断して、自分を奮い立たせるように努めました。
今となっては、また現代社会システムの病理が私たちの心身の健全性を損なっていることは間違いない(『罪と罰』のテーマは正しい)と確信に至っています。
さて、何かに対するモチベーションがなければ、社会的成功というような泡沫の瑣末な目標だけでなく、私たちは生きる目的さえ失ってしまう危険性があります(病的な人工的社会での社会的成功<もちろん♨️の僕になること>は、逆に心身を蝕む)。
そのモチベーションは、植物、ワンちゃんや子供を生き生きと育てることであってもいいし、自分の潜在能力を発揮することであっても良いです。
このモチベーションが著しく低下する原因を示唆する興味深い研究が発表されています。
その研究では、やはりモチベーションは、ドーパミンという神経伝達物質が鍵を握ることを示唆しています。
このドーパミンが高濃度にある脳の部位(報酬系)に、酸化ストレスが高いほど、モチベーションが低下することが示されています(Glutathione in the nucleus accumbens regulates motivation to exert reward-incentivized effort. eLife, 2022; 11 DOI: 10.7554/eLife.77791)。
酸化ストレスとは、繰り返しお伝えしていますが、プーファ(オメガ3&オメガ6)の脂質過酸化反応があることとイコールです(現代医学では、ここに触れたくありません(^_−)−☆)。
現代医学では、酸化ストレスは過剰な活性酸素・窒素種が発生することを意味していますが、過剰な活性酸素・窒素種はプーファを酸化させることで生命のフローを破壊するからです。
つまり、現代社会では、プーファ過剰によって、糖尿病、心臓・脳血管疾患、アルツハイマー病、ガンなどの様々な慢性病だけでなく、私たちのドーパミンおよびモチベーションまで低下させているということです。
ということは、みなさんの食事や食習慣(プーファ・フリー)を変えるだけで、モチベーションが維持できる可能性があるということです。
今では、この病的な人類社会を生きるためには、モチベーションと同じかそれ以上に「心の平静(peace of mind)」が大事であると痛感しています。
これは、12月に予定している量子力学講義(『量子力学を超えて〜量子力学をリアルサイエンスで斬る』)にも繋がりますが、「心が穏やかなこと」それ自体が生きる目的(意義)だと思います(^_−)−☆。