日本では今でも「糖質をとってはいけない」という深い刷り込み(罪悪感)が効をなしています。
高校や大学で、生物や生化学という分野を勉強された方であれば、誰でも細胞のエネルギーおよびミラクルホルモンである二酸化炭素の産生は、糖の分解(glycolysis)から始まることを習っているはずです。
本来、脂肪やタンパク質は、飢餓などの緊急時にしか、その代替ができないことも記載してあります。
それにも関わらず、生命の基本をおざなりにして、商業的にも糖質制限を流行させています(本当は隠された目的があることは私の読者であれば理解されています)。
その糖質の代替として、グローバル企業は“人工甘味料”なる化学物質を開発し、市場に大量にばらまきました。
この化学物質は、飲料や加工食品は当然のこと、最近は乳製品にまで紛れ込ませています。
さて、この人工甘味料の副作用については、過去記事でも何度もお伝えしてきました。
今回、最新の疫学的調査(前向きコホート研究)において、人工甘味料と血管障害の相関関係が改めて証明されています(Artificial sweeteners and risk of cardiovascular diseases: results from the prospective NutriNet-Santé cohort. BMJ 2022; 378)。
フランスの10万人以上を対象にして、あらゆる食事由来の人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース)と、脳・心臓血管疾患(脳血管疾患、冠動脈性心疾患)の関連を調べています。
その結果、人工甘味料の総摂取量の増加に伴い、脳・心臓血管疾患のリスクが有意に上昇しました。その中でも、脳血管疾患リスクと強い関連が認められました。
人工甘味料の中では、アスパルテームの摂取が脳血管疾患リスクの増加と関連が認められています。これは、過去記事でもお伝えしたとおり、アスパルテームの分解で、発ガン物質のアルデヒドが発生するからです。
アセスルファムカリウムとスクラロースは、心臓の冠動脈性心疾患のリスクの増加と関連していました。
このように疫学的調査においても、人工甘味料は「血管障害(動脈硬化)」という重篤な副作用のリスク上昇と関連していることが示されています。
一方、良質の糖質(単糖類、二糖類)を含むハチミツやフルーツは、血管障害(動脈硬化)を防ぐ作用があります(Cardioprotective Effects of Honey and Its Constituent: An Evidence-Based Review of Laboratory Studies and Clinical Trial. Int J Environ Res Public Health. 2020 May; 17(10): 3613)(Honey and Its Role in Relieving Multiple Facets of Atherosclerosis. Nutrients. 2019 Jan; 11(1): 167)(Consumption of fruit and berries is inversely associated with carotid atherosclerosis in elderly men. Br J Nutr. 2008 Mar;99(3):674-81)(Baccaurea angulata fruit juice reduces atherosclerotic lesions in diet-induced Hypercholesterolemic rabbits. Lipids Health Dis. 2017 Jul 7;16(1):134)。
人工甘味料が本物の糖質の代替などできる訳がないのです(^_−)−☆。