1996年にベストセラーとなった「患者よ、がんと闘うな」の著者である近藤誠先生が死去されました。73歳ということでした。
死因は虚血性心不全となっています(『医師で菊池寛賞の近藤誠氏死去 「医者に殺されない47の心得」』共同通信、8/15(月))。
心臓を栄養する動脈(冠動脈)の動脈硬化で心臓に血液が十分通わないことで、心臓の機能不全が起こることを虚血性の心不全と呼びます。
近藤誠先生は、日本では唯一エビデンスを列挙して論拠とした医師の先駆者だと思っています。また、現代医療の欺瞞をエビデンスに基づいて暴露した先駆者でもあります。
リアルサイエンスを学んでいただければ、もっと素晴らしい業績を残されたと思います。
日本ではリアルサイエンス(サイエンスや人類の歴史を基礎から積み上げている)の先駆者が皆無の中、私も現在の理解に到達するまでに数十年の月日を要しました。
リアルサイエンスの見地からは、近藤先生のご著書でも残念な箇所が垣間見られましたが、他の健康本と違い、丁寧にエビデンスを列挙された唯一の誠実な医師だったという印象を持っています。
ご自身が放射線科のドクターであることから、初期の著作の中では手術や抗がん剤よりも放射線治療を推奨される傾向がありました。
しかし、拙著『ガンは安心させてあげなさい』で詳述したように、放射線療法を含めた三大療法そのものが、長期的にガンの再発・悪性化の原因となります。
ガンという病態の根本治療の要諦は、近藤先生のご著書のとおり、「患者よ、がんと闘うな」です。
ガンは、正常細胞が各種の“虐待(過剰なストレス)”を受けて、仕方なく変態した細胞です。したがって、正常細胞の変形版(ストレスで萎縮した弱い細胞)に過ぎないのです。
したがって、ガンを攻撃するような治療(病原体仮説治療)は、さらにガン細胞を刺激して変態(転移、悪性化)を促します。
むしろ、私たちの体が「安心・安全」でリラックスできる状態を作ってあげることが、ガンの根本治療になります。
近藤先生もメインストリームの現代医学からは、激しい攻撃をお受けになっていましたが、時代は確実に風向きが変わりつつあります。
今回のコビット詐欺や現在の人工パンデミックの原因である遺伝子ワクチン強制は、私たち大衆が権力者の道具である現代医療に深い疑念を抱かせるに十分な出来事でした。
この時代の風向きの変化を近藤先生も肌で感じられていたのではないでしょうか。
近藤先生のご冥福をお祈りいたします。